[投資本紹介]なぜか日本人が知らなかった新しい株の本
株主価値(≒バリュエーション)を自分で計算して、株価との乖離をみつけてそれが修正されるタイミングを考えて投資しようという趣旨の本。
株を初めて売買の仕方は理解できたけど、何を根拠にエッジを出したらよいかわからないというレベル感の人向けに書かれている印象を受けた。難しい数式などもなく、優位性を見つけていく最初のとっかかりが簡潔にまとまっている。
下記は読みながら書いたメモ
株主価値(≒会社の価値)を考える
株主価値がは事業価値+財産価値ー負債でざっくり計算できる。
(以下に計算式が書いてあるが、全業種全企業同じ計算式でおおよその目星をつけることを目的に作られており、より精度を上げて行くには個別企業のそれぞれの事情を加味した計算式に調整していく必要があると筆者も述べている)
事業価値は営業利益の10倍と考える。
その理由は市場の平均期待利回りが6%とすると、営業利益に対する税率がおおよそ40%とすると、営業利益の10倍の価格だとちょうど市場の平均利回りが出せるという計算。
財産価値は純資産ではなく総資産 - 流動負債 x 1.2で計算するといい。
流動負債は直近で見込まれている支出なのでそれ+αくらいの手元資金は確保しておく必要があるという考え。業種によってこの平均倍率が異なるが全業種おおよそのイメージとして。
株主価値と株価の乖離が是正されるタイミングを考える
株主価値が導き出せたとしても株価がその値に収れんするまでの期間の長短やカタリストを予測できるかどうかが会社ごとに異なる。
そのため、価値と株価の乖離 と 価格が価値に収れんするまでの期間のマトリクス上のどの位置にその会社がいるのかをイメージすることが大事。
株主価値と株価の乖離を見つける
事業の有望性=市場の魅力度(=需要構造 x 競争環境) x ビジネスモデルの有望度(=高い利益率 x 横展開の可能性)
ととらえた時に、会社の強み・弱みはそれぞれどのようにあるのかを考える。
会社の将来の業績を予想する
過去の業績をもとに過去の事業環境を考察し、将来の事業環境を予想したうえで将来の業績を予測する。間のプロセスが1つでも抜けてしまうと予測の精度が落ちてしまう。
収益の柱を見つける
会社の収益源を、事業別・地域別・顧客別に分類すると収益の大半はその分類の一つから稼ぎ出されているケースが多い。どこが一番の収益源かを意識する。
会社の強みを理解する
ほとんどの会社は強みはせいぜい1,2個しかなくそこを理解することが大事。
・労働集約型の業務を高い効率で遂行できる組織、仕組みがある
・フランチャイズ、ネットワーク
・知的財産
・ブランド・ロイヤリティ
市場の魅力度を推し量る
市場規模は拡大しているのか。参入障壁は高いのか(設備投資、規制)。競合の数や規模は。再投資可能なのか。
まとめ
投資するかどうかを判断する時に、今の株価が高いのか安いのかを判断できる必要があるが、適正な株価を考える物差しの一つが書かれていた。
やみくもに事業がイケてそうかだら、株価がすごい上がっているからなどの理由で売買してしまっていたが、適正な価値を考えた上で今の株価がどの程度乖離していて、それがいつ何をきっかけに是正されるのかを考えて投資していくことが大事だなと感じた。
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