闘病日記 -3月-


私の主治医の先生は、かなり評判の良い名医だった。けれど、残念ながら高齢を理由に今年退職されてしまった。


その先生曰く、

君は自分の事を冷静に分析出来ているから、病人の中でもまだまだ元気なんだよ。

本当に病んでる人はね、自覚が無いんだよ。何故か気が滅入ってる…
何故か何も手につかない…
何故自分はこんなに駄目な人間なのだろう…
……そうして、やるべき事も楽しかった趣味も何も出来なくなって、寝たきりになっちゃうんだよ。

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昔、そんな話をしてくれた事があった。

………。
最近の私は、何かおかしいように思う。色々な事の積み重ねで疲れただけなのかもしれないが、
「何があったの?」と聞かれても「分からない」としか答えられない。むしろ、こっちが聞きたい。私はどうなってるの?何があったの?この状況は何?

とてもダルくてボンヤリする。
気力が湧かない。楽しみにしていた新刊も、読まずに積み重ねている。

たまに趣味の針仕事をするけれど、それすら出来なくなったら本当にヤバいんじゃなかろうか?

すごく怖い。

でも誰に相談すれば良いのか分からない。
新しい主治医の先生は、薬に詳しいらしいけど親身にはなってくれない。薬の処方にしか興味ないようなカンジだった。


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