おめざブログ 2019年8月22日
突然だが、幽霊はどうしてある程度型にはまったものしかいないのだろうか。幽霊をみたことがないので、型にはまるも何も本当はないのだが、それは無視して話を進めていく。
ひとつは髪の長い女性の幽霊。白い服を着て、装飾が豪華になると血まみれになっている。顔は見えない。トンネル内で目撃されることが多い。子どもの幽霊は青白い顔をして部屋のなかを歩き回ってたまについてきたりする。じっと部屋の隅に立ち止まっていたまま動かないおじさんの幽霊などもいる。テレビで観る心霊特集や、知人から聞く幽霊の出現パターンは、多いようで少ない気がする。
もっと違った出現パターン、例えば流行に乗った幽霊などはいないのだろうか。タピオカミルクティーを片手に持った若い女性の幽霊などである。原宿あたりに出現し、うつむき気味にいつまでもなくならないタピオカをすすっているのである。いないのだろうか。目撃例が欲しい。
どこの誰が言っていたのか忘れたが、死んだ人間が全員幽霊になるのなら、この世は幽霊であふれきっているはずだ。古代人の石器を持った幽霊から現代人のタピオカの幽霊まで人類の歴史の万国博覧会である。野武士の幽霊もいればナウでヤングな幽霊もいるだろう。しかし幽霊はどうも自分の知る限りでは現代人で、しかも衣服をまとっただけの定まったかたちが一番多いようだ。
と書いてきて、幽霊をネタに悪ふざけしたことで呪われはいないのかと怖くなってきた。余談だが、自分の母親は老人ホームで働いていて、たくさんの人をこれまで見送ってきている。そういう職場だからかもしれないが、毎年お盆になると恒例のように心霊体験を語ってくる。今年の話だと、100歳を過ぎたおじいちゃんが誰もいない部屋の隅を見ながら、「大きく口を開けた人が立っている」とずっと怖がっているらしい。それを聞いた若いスタッフがみんな怯えていると。そんな話をしながら母は、「もうね、100歳を過ぎたからなんでも見えってるてね」と語っていた。そんなことは初耳だが、そんなものなのだろうか。人生100年時代。100歳を過ぎて幽霊が身近になるのなら、今のうちに心構えをして、仲良くなる方法を考えておいた方がいい気がする。