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おめざブログ 2019年8月27日
ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎の作品のタイトルは、なんとなくかっこいいものが多い。『見るまえに跳べ』というものから『洪水は我が魂に及び』、連作短編『新しい人よ眼ざめよ』の『怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって』『落ちる、落ちる、叫びながら……』『鎖につながれたる魂をして』などなど。『新しい人よ眼ざめよ』はウィリアムブレイクの詩からインスパイヤされているものらしいが、タイトルだけで想像されるものがある。『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』というものもある。
大江健三郎は書店でも文庫が全く置いていなく、買おうにも買えないものばかりだったが、最近は全集が出版されていたり、NHKの『100分de名著』に9月から取り上げられたりと、再評価されつつあるように思う。
自分としては『個人的な体験』『芽むしり仔撃ち』などの中編小説を入門としておすすめしたい。自分自身も『燃えあがる緑の木』を未読なので、これを機会に読んでみたい。