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「野原ひろしの足は臭い」ことについて|おめざブログ

最近、国民的キャラクターが、これまでとは違った視点で注目を浴びるケースをよく見る。

例えば、クレヨンしんちゃんのひろしは、180センチの高身長で安定した職業、一戸建て持ちで理想的な父親像だ、とか。

そう言われてみると、確かに、とうなずく部分もある。

けれども、僕の中で野原ひろしは「足が臭くて可愛い女の子に横目をつかうどうしようもないパパ」なのだ。

いまキャラクターが注目を浴びるときの掛け声は「〇〇な部分もあるけど、こんないいところがあった」というニュアンスのものが多い気がする。「のび太は怠け者だけど、誰よりも優しい男の子だよ」というような。

でも僕は「ひろしって足は臭いけど、安定した仕事をしていて家族想いだよ」というよりも、「あいつ、足が臭くてどうしようもないやつだよな笑」という方が好きだ。

「〇〇な部分もあるけど、こんないいところがある」という言い方は、どうしても弱点を弱点としかとらえていない。けれども、その弱点も受け入れた方が、キャラクターへの愛情の深さが伝わってこないだろうか?

漫画家のキューライスさんは『立川談志は落語を「人間の業の肯定である」と定義した』と書いていました。

今の世の中を見回すと、みんなお互いの揚げ足取りに忙しくて「人間の業の肯定」って、とても少ない気がするんですよねぇ。

だからこそ僕は「足が臭くて女の子に横目を使う、どうしようもないやつだよ、ひろしは」と愛情をもって言い続けたいんです。


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