タロットの逆位置はなんか好きじゃない
こんにちは
発達障害で元引きこもり占い師の安藤オーカーです
今回は私がタロット占術で逆位置を使用しないことについてお話します
・逆位置とは
日本ではタロットを占いをする際にカードの天地が逆になった逆位置を読むのが定番かと思います
逆位置の歴史を振り返ると、18世紀後半の史上初の占い専用タロットを作ったエテイラが使用したことが由来とされています
また20世紀初頭に作られた世界で最も有名なタロットであるウェイト版のタロットにも逆位置が採用されました(ただしその扱いは現代のタロット占いとはだいぶ異なりますが)
逆位置を採用したほうがカードからの情報量が増えるのでより高度な技術が必要ともいえるでしょう
・なぜ逆位置を使用しないのか
でも私は基本的には逆位置を採用しません
理由は二つあります
ネガティビティ・バイアスに引っ張られるから
なんか気に入らないから
です
「ネガティビティ・バイアス」とはは、ポジティブ情報よりネガティブ情報のほうに気を取られやすい現象のことです
私はタロットを視覚情報で読み解き「物語」として解釈する手法を採用していますのでこのバイアスはやっかいなのです
もう一つの「気に入らない」はマルセイユタロットの小アルカナが関係しています
マルセイユタロットのソード・コイン・ワンドの数札には正逆の判別がしにくいものがたくさんあります
あらかじめ印を付ければ判別できるでしょうが、「そこまでして正逆を意識しなきゃいけないのか?」となるので好きじゃありません
こと占いにおいて「気に入るか気に入らないか」はものすごく重要なことだと思うのです
占い師にとって嫌いな占術・道具・システムを使った占いではたしてよいパフォーマンスができるでしょうか?
私には発達障害があります
なので一般的には「そんなことができないの?」と言われる苦手なことがたくさんあります
無理に苦手を克服するよりも苦手をカバーしたり長所を伸ばすほうが結果的にはハイパフォーマンスが期待できるのではないでしょうか
ただし大アルカナのみで占う場合は逆位置を採用しています
「逆位置だから意味が変わる」という使い方ではなく視点や物語の変換点として使用しています
・逆位置を使わず占えるのか
有名な占い師さんの中にも逆位置を採用しない方は何人もおられます
海外だと逆位置を採用しない方は珍しくありません
また18世紀後半以前のカードト占いでは逆位置を使用しない占いが主流だったともいわれています
なので占えるか占えないかでいえば「占える」のです
私の場合は出てきたカード全体の「物語」を読むやり方なので
そのカードがポジティブもしくはネガティブな面を示すのかは全体の流れで読み取っています
たとえばカップの10が出てきたとしても、周辺のカードとの関係で
「愛情大爆発!もうこれ以上の愛はない!」
か
「もう感情的に限界、決壊する」
になるかを読み取ります
そもそもポジティブかネガティブかを決めるのは我々人間の主観でしかないんですよね
例えばAさんという人物について
Bさんは「明るくて楽しい人だ」と言うかもしれませんし
Cさんは「やかましい人だ」と言うかもしれません
同じ物事についても評価が別れるということもよくあることですよね
人生の選択には二項対立(〇か×かといった対立する考えのこと)はあまりない、というのが私の占いに対する考え方の一つです
・結局占いの”やり方”に正解なんてない
日本に限らないことですが
「これが”正しい”占いの方法です」
という占い講座が世の中にはたくさんあります
もちろんそれも占いに向かう姿勢の一つではあります
「正しい」と定義することで入門者に効率よく情報を提供できますし
規格や基準を統一することで追従者によるさらなる発展を促すこともできます
ですが占いの長い歴史から見ると
「占いのやり方」そのものに正しさはないと私は考えます
私は大学で歴史学を専攻し、その中で占いについても触れてきました
大昔の占いと現代の占いで道具や手法が違うものはたくさんあります
私が使うタロット占いもこの百年、いや数十年で占い方がだいぶ変わりました
でもだからといって今と昔のどちらかの占いのやり方が正しいとは思いません
でも占いに向かう姿勢には正しい・間違いはあると私は思います
質問者をわざと不安にさせるような姿勢はよくないでしょうし
質問者が占って元気な日常をおくれるなら正しい姿勢だと思います
結局のところ、占いのやり方なんてなんでもいいのかもしれません
質問者さんが「占ってよかった」とか「面白かった」と思えたらいいんです多分
もちろん私自身は私の占いに強いこだわりがあります
でも「やり方なんて結局なんでもええんやで」となるのが今の私です