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M&Aの決断④
2025年2月9日
少し期間が空きましたが、こちらのシリーズの続きを書きます。
前回、7月に「M&A BASE」社から意向表明が出たところまででした。
これでお互いに本格的にM&Aを進めるフェーズになったので、
ここからDD(デューデリジェンス)が始まりました。
デューデリジェンスというのは、
対象企業(今回はTGK)の状態を細かくチェックして、
健全な会社かどうかを確認する作業です。
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ファンド側と契約している社労士、税理士、弁護士などの専門家が、
会社の労務・税務・法務・コンプライアンスなどを調べるために、
資料を順番に提示していき、細かい質問に答えていきます。
事前に、「デューデリは大変だ」という話を聞いていたのですが、
淡々と進んでいき、1ヶ月くらいで完了しました。
紙の資料をスキャンしてデータ化する作業は地味に大変でしたね。
助成金の申請も色々と書類を準備する必要があるので、それに似たような感じでした。
もう次はやりたくないですねw
DDが終わり、労務の部分で一部問題はありましたが、
大きな問題にはならずに次の「株式譲渡契約」に進む事になりました。
これが9月の頭頃でした。
契約書の内容は非常に重要なので、
知り合いに紹介してもらった専門の弁護士に作成を依頼しました。
私個人が保有している株式を譲渡する契約になるため、
弁護士の費用は個人で支払うことになります。
今回は、通常の「株式譲渡契約書」に加えて、
「経営委任契約書」(TGKと私の役員に関する契約)
「新株予約権割当契約書」(ストックオプションに関する契約)
もあり、3つの契約書を同時並行で進めていきました。
そのため、弁護士に支払う報酬が200万円近くかかりました。。
相手から届いた契約書の内容を弁護士に説明してもらい、
私と弁護士で打ち合わせして、
・譲れる部分
・譲れない部分
を洗い出して文章に起こしていきます。
私は難しい文章が苦手なので、
弁護士さんがいてくれて本当に助かりました。
ちょうど私がアメリカに行っている間の出来事で、
時差が違う中、オンラインで弁護士と打ち合わせしていたのを思い出しますね。
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その調子で何度かラリーを繰り返し、徐々にお互いの主張を理解していき、
10月頭に無事契約締結となりました。
ここまでの約3ヶ月間は、通常の社長業務の合間に慣れないことをやって大変でしたが、
何より従業員や周りの人に何も伝えられないことが結構キツかったですね。
(M&Aは不確実要素が多く、途中でブレイク(破談)することも多いため)
これまでも企業価値算定にマイナスな出来事はありましたが、、
(役員の退職、夏場の売上低迷、など)
なんとか契約までもってきたことで、やっと皆に話せる!
と思ったら、、
最後に大きなトラブルが待ち構えていました。