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チョコレートの表示規約を解説!(その2)

その1ではチョコレートの種類別名称がどう分類されるかを解説しました。

種類のひとつだと思っていた名前がなかった、と思った人もいるのではないでしょうか。
また、「ナッツたっぷり!」「スーパーフード〇〇入り!」などの謳い文句やパッケージいっぱいの苺の写真など、表示は名称だけではないですよね。でも実際にどのくらいナッツたっぷりなんでしょうか

そんな名称には入らない表示でも、決まりがあるんです。
これを読んであなたもパッケージから原料の割合を想像できるようになりましょう!(笑)

ピュアチョコ・生チョコ・ミルクチョコ

種類別名称に出てきそうだったグループです。
名称には含まれないならどこで登場するのかというと、商品名や説明書きなどに使います。

①ピュアチョコ

純チョコとも呼びます。チョコレート生地だけで作られていて、
・カカオ成分はココアバターとカカオマスだけ
・脂肪分はココアバターと乳脂だけ
・糖類はショ糖のみで全重量の55%以下
・乳化剤のレシチンは全重量の0.5%以下
・レシチンとバニラ系香料以外の添加物は使わない
これらを満たしたものが「ピュアチョコレート」と呼ばれています。

つまり、チョコレートとしての基本的なものだけで作ったチョコレートです。別の油や凄い甘味料や変わった調味料とかは入れません


②生チョコ

生チョコにも決まりがあります。
・チョコレート生地が全重量の60%以上
・クリームが全重量の10%以上
・水分が全重量の10%以上
これを満たすと、晴れて「生チョコレート」と名乗ることができます。
ちなみにこの「生チョコレート」を60%以上使って、チョコレート生地の重量が全重量のうち40~60%になるチョコレート加工品を作っても生チョコレートと呼べます。
解説記事その1を読むとわかるのですが、この生チョコレートの種類別名称は前者は「チョコレート」、後者は「チョコレート菓子」になります。

チョコレートにクリームを混ぜた色々なチョコを指しているんですね。
水分が多いために日持ちも短いので、美味しいうちに早めに食べましょう!


③ミルクチョコ

ミルクチョコレート生地や準ミルクチョコレート生地を使ったものがミルクチョコと呼ばれます。至って単純、そのまんまです。
ではミルクチョコレート生地とは何か?
チョコレート生地の基準に、
・乳固形分14%以上
・そのうち乳脂肪分3%以上
という基準を加えたものです。準ミルクチョコレート生地なら12.5%以上と2%以上。

ミルクには全脂粉乳、脱脂粉乳、クリーム粉乳などいろいろありますが、どれを使ってもミルクチョコ。
身近で特によく聞く言葉のひとつですね。
ちなみに最近は、カカオ分の多いミルクチョコの「ダークミルク」というのがありますが、これにはまだ決まりがなさそうです。


「ナッツたっぷり!」

さて、呼び方だけでなく謳い文句にも決まりはあります。これがないと何でも言い放題、消費者騙し放題の無法地帯になってしまいます。
誤解を招くような表示はしない、というお約束も勿論ありますが、ナッツや果物など、チョコ製品に足すものに関しても決められています。

ナッツ類、果物類、野菜類、はちみつ、メープルシロップ、黒砂糖、コーヒー、その他の原材料の使用を、商品名、絵や写真、説明文などで表示するとき、ナッツや果物類は5%以上、はちみつやシロップや黒砂糖は2%以上、コーヒーは生豆換算で1.5%以上の重さがあります。

●「豊富」や「たっぷり」と表示するには基準量の2倍以上を使います。
(ちなみに基準量というのは、ナッツや果物類なら10%以上の重さ、のようにそれぞれ決まっています。)

だから初めの疑問の答えは、ナッツたっぷりのチョコレートは少なくとも重さの10分の1はナッツであって、全力で苺を主張するパッケージなら苺成分が5%は入っている、ということになりますね!


さいごに

チョコレートの表示規約を2つに分けて解説してきました。
なんとなーくパッケージから原料の割合が想像できるようになったでしょうか?
紹介した数字や規約を覚える必要は全くありません。しかし、なんとなーく中身が想像できれば、買う商品への誤解を防げるかもしれませんし、何よりちょこっと楽しい気分になるかもしれません。

これを読んでくださったあなたも、次の買い物からはチョコレートの表示を見ては妄想にふけってみてはいかがでしょうか!


参考
日本チョコレート・ココア協会

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