コント#2 「預けもの」

(※海=海賊、少=少年、両=両方)
(※海賊:板付き、少年:飛び出し)

(始まり)

海 (思い出に浸りながら、町から去ろうとする。)
「長い拠点だったが、この町ともしばらくお別れだな。」

少 (泣きそうになりながら走ってくる)
「待ってよ!」
「何も言わずに出ていくなんてひどいじゃないか!」

海 「見つかってしまったか。」
  「お前に言ったら一緒に連れっていってくれとかいうだろ?」

少 (泣き出す)
「なんで、なんで連れっていってくれないんだよ!」

海 (語りだす)
「俺は海賊だ。これ以上ここにいるとみんなに迷惑をかけちまう。」
「この町のみんな、俺の家族同然なんだ。」
  「だから、これからはお前がみんなを守るんだ。」

少 (泣き続ける)

海 (少年に麦わら帽子を被せる)
「この帽子をお前に預ける。」
「俺の大切な宝物だ。」

少 (無言でうつむく)

海 (格好つけて去ろうとする)
「いつかきっと返しに来い。」
  「立派な海賊になってな。」

少 「これ、いらない。」

海 「どうした?」

少 「いらない。」

海 「まだ拗ねているのか?」

少 「ダサいじゃん。」

海 「、、、。」

少 (麦わら帽子を返す。)

海 (哀愁漂いながら麦わら帽子を受け取って被る。)

少 (泣き出す)
「そんなことより俺も連れってってよ!」

海 「お前はまだ子供だ。」
「お前を庇うがあまり仲間の命を危険にさらすことはできない。」

少 (泣き続ける)

海 (少年にマントをかける)
「このマントをお前に預ける。」
「俺の大切な宝物だ。」

少 (無言でうつむく)

海 「いつかきっと、、、」

少 「いらないよ。」

海 「どうした!?」

少 「着る意味ないじゃん」

海 「、、、。」
「こういうのが好きな年頃だろ。」

少 (師匠の腕を見る)

海 (腕につけてる時計を見る)
  「これはあげないぞ!」

少 「それがいい。」

海 「これは渡せない。」
  「宝物なんだ。」

少 「帽子もマントも宝物だったんじゃないの?」
  「なんで時計はダメなの?」

海 「それは、、、。」

少 「いらないものを押し付けただけじゃないの?」
  「ねぇ、どうなの?」

海 「色々あるんだよ。」

少 (手を差し出す)
「立派な海賊になって返しに行くから。」

海 (無言で時計を渡す)

少 (時計を受け取ってつける)

海 「一年貯蓄して買ったのに、、、。」

少 「あと、宝箱あったよね。」
  「半分ちょうだい。」

海 「お前言ってること海賊だぞ。」
「てか、そんなに持てないだろ。」

少 (ポケットからエコバック出す)

海 「まじか。お前。」

少 (エコバックを渡す)
「これに入れてきて。」

海 (エコバックを受け取って袖にはける)
「分かった。」
  (袋ぱんぱんにして戻ってくる)
  (袋渡す)

少 (エコバックを受け取る)
「ありがとう!元気でね!」

海 「立派な海賊になれよ、、、。」

(終わり)

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