業界アルアル|モノ消費、コト消費、そしてトキ消費?爆速で変わる消費スタイル
現代社会において、消費スタイルは急速に変化しています。
この変化は、私たちのライフスタイルや価値観の変化と密接に関連しています。
戦後、おびただしい経済発展を遂げた日本において三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)から始まり、1970年代には新しい三種の神器(自動車・カラーテレビ・エアコン)と、豊かさをモノを購入することで生活を向上させる消費行動でした。
この時代をモノ消費と言います。
そして消費行動は変化し、現在はトキ消費時代に突入と言われます。
今回は、モノ消費を経て、コト消費、トキ消費と移り変わる概要と、これからどのようにトキ消費が成熟し、次の変化をしていくか考えてみます。
モノ消費
1990年代までにモノ消費は成熟したとされています。
40代の私は当時社会人ではなかったのでバブルはもちろんモノ消費時代は体験したことはありません。
その後のバブル崩壊、氷河期・超氷河期世代のど真ん中だったので、コト消費に移行したタイミングで社会人になりました。
日本を含む多くの先進国では、バブル経済の崩壊後に物質的な豊かさが一定水準に達しました。
豊かさが一定となると、所有することよりも精神的な充足感を求める変化が起きました。
その最中に1998年に出版された、ジョセフ・パインとジェームズ・ギルモアの著書『経験経済(The Experience Economy)』は、企業が商品やサービスの提供だけでなく、顧客に対して特別な体験を提供することが重要であると提唱する内容でした。
広く知られるようになり、世界中の多くの企業が、より感動的で記憶に残る体験を提供するマーケティングに移行したそうです。
モノ消費の終焉
前述の1998年という時代、同時に世界中でインターネットが加速度的に普及し始めたWindows95の発売から3年後です。
現代につながる情報革命と重なったのも消費活動に変化をもたらした大きな要因です。
インターネットとスマートフォンの普及は、コト消費の拡大を爆発的に加速させました。
世代においての価値観の傾向
ミレニアル世代(1980年代から1990年代半ばに生まれた世代)やZ世代(1990年代後半から2000年代初めに生まれた世代)は、物を所有することよりも、体験を重視する傾向があります。
旅行、音楽フェスティバル、アクティビティなどを通じて、自己表現や他者との繋がりを求めているといった調査結果が多数あがっています。
経済産業省の消費生活に関する調査、博報堂のミレニアル世代の消費動向調査、日経BPZ世代の消費行動と価値観に関する調査、マイナビのZ世代の意識調査、どの調査結果も、私を含むX世代以前との価値観の違いを示す結果となっています。
そして体験そのものを効率良くと傾向していきます。
この時も、大きなインパクトが爆発的に加速させました。
1995年Windows95の誕生以上の出来事だと思います。
それは感染症によるライフスタイルが世界中でリセットされたことです。
国内においては、経済的な成熟から停滞期間となり、働き方改革という流れも重なりました。
トキ消費
トキ消費とは、時間そのものに価値を置く消費スタイルであり、効率的な時間の使い方や、貴重な時間をどう過ごすか、そこに消費活動が行われる。
働き方改革と並行してリモートワークの普及により、時間の使い方に対する意識が高まり、時間を節約するためのサービスが一斉に普及しました。
物やサービスの所有や体験だけでなく、その瞬間を大切にする消費活動に移行しています。
リアルタイムでシェアすることで、その瞬間の価値が他人にも伝わる
限定イベントや期間限定の商品など、長期的な所有よりも一瞬の体験や出来事に価値を置く
個々の消費者の好みに合わせた体験や商品が求められ、SNSでシェアされることを意識したデザインやコンセプトが重要
つまり、モノ消費からコト消費に変化したときと違い、所有や体験に、さらに時間(瞬間)という概念が加えられ、定着したということになります。
まとめ
消費スタイルは、時代とともに変化し続けています。
モノ消費からコト消費、そしてトキ消費への変化は、それまでの社会の流れに、大きなインパクトが加わり、ライフスタイルや価値観がかわってしまった象徴です。
今後も、テクノロジーの進化や社会の変化に伴い、新しい消費スタイルが生まれてくることでしょう。
私の個人的な意見になりますが、トキ消費は変化ではなく概念が加えられた。
これは選択肢が増え、それを選ぶ人が多い結果、定着したとみています。
現在のSNSの動向をみると、リーチ、フォロー、エンゲージとは逆行し、よりプライベートなSNSが若い世代に定着しています。
BeRealでは極端に機能を絞ることで、SNSであってもリアルを感じさせ機能が人気のようです。
Snapchatでは一定時間で消去される、ありのままの投稿になる機能が人気のようです。
これらのSNSが急速に拡大している背景と、推し進めているのが次世代の若者なことを考えると、効率的な手段はそのままに、盛られることのない情報に信憑性をもつ、いままでのモノ・コト・トキの消費活動の良いとこ取りになると思っています。
その活発な活動についていけなくても、理解ができるのか?
マクロでみると、先人のバトンが渡されて社会が繰り広げられているのは間違いない事実です。
そこで大問題。
自分はバトンを持っているのだろうか?
ちゃんと渡せるのだろうか?
そんなコトばかり思うX世代です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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