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私もイケメンと手紙交換したい
先日、当日券でフェルメールと17世紀オランダ絵画展に行ってきました。
この先はどんな作品があって、ああだこうだ書いてあるのでまだ展覧会に足を運んでいない方はネタバレ注意です。
今回もゴッホ展同様、お世話になっている山田五郎さんのフェルメールの動画を見ながら上野へ向かいました。
11時過ぎに東京都美術館に到着し、11:00~11:30のチケットを購入することができました。急いでコインロッカーに荷物を詰め込み入場します。
まず入って最初のブースはオランダの肖像画。
ここのブースを見回し私は思うことがありました。
そう、
みんな襟巻きトカゲみたいなよだれかけをつけているのです。
しかも性別関係なく、女性も男性も着用していました。
最初は襟巻きトカゲに見える首元を見て「レースが綺麗だな」と思いながら見進めていました。
しかし、進めば進むほどみーーんな襟巻きトカゲみたいな服を着ています。私は絵画鑑賞どころではなくなってしまいました。「この人は襟巻きトカゲだ」「この人は違う」襟巻きトカゲ探しが始まっていました。
肖像画ブースを抜けるまで私は襟巻きトカゲハンターをやめることができませんでした。
そして家に帰り「オランダ絵画 襟巻きトカゲ」で調べました。
驚くことに一発で襟巻きトカゲの正体が出てきました。
以下のサイトから、みんながつけているこの白いのは、襞襟(ひだえり)というものであることがわかりました。
ここで私の襟巻きトカゲの疑問は解けました。
そして、ここのブースでは、異常なほどレンブラントのところに人が集まっていました。どんな絵か見えなくても、「あれはレンブラントだろう」と予想することができました。
次の複製版画のブース。正直、大学生の私にはまだ早かったみたいです。黒白で表されている小さい版画を理解するのは難しく通り過ぎました。
次のブースは、ザクセン選帝侯たちが愛した作品というブースでした。
ここのブースの紹介パネル前は空いていたため、じっくり読むことができました。ここで得たことは、富裕な市民層が様々な象徴性が描かれた小型の絵画を求めていたということです。
確かにこのブースは小さい絵ばかりでした。
理由はわからないけど私は小さい絵を見るのがあまり得意じゃないんです。目が悪いわけでもないのに小さいと見づらく、イライラしてしまいます。おそらく、新聞の字が小さくてイライラしてしまうのと同じ原理だと思います。
なのでこのブースの絵画のメモはすこしひどいものでした。
産後の訪問という絵画があったんですけどそこにはこんなメモが残されていました。
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酷い感想です。
小さい絵が並ぶ中、私がこの展覧会で目をつけ、唯一ポストカードを買った絵画と出会いました。それは、
カスパル・ネッチェルという人の手紙を書く男です。
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私がこの絵を見た時の第一印象がメモられていました。
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第一印象はいいものではなかったけれど、この絵の前は謎に空いていたのでしばらくその絵の前に立ってみました。そしてふと思いました。
「こんなイケメンに手紙を書いてもらえるなんて幸せじゃん!!!」と。
ここまできたら私の想像は止まりません。
この男は誰にこんな可愛い顔をして手紙を書いているのか。手紙の内容は何か。女宛に書いているのか男宛に書いているのか。仕事用の手紙かプライベートの手紙か。何をそんなに悩んでいるのか。もしかして、ラブレターを書いているのか。
一枚の絵画を見ただけで彼氏の浮気を疑う彼女の人格がログインしてしまいました。
第一印象は最悪だったけど数分という短い時間で私はこの絵画の男に惚れ込んでいました。きっと少女漫画の主人公よりもちょろいです。
そしてここのブースでは描かれている動物についても学びました。
絵画で印象に残っている動物って私的には犬なんですよ。あと牛とか家畜系。
この展覧会では珍しく猫が描かれた絵画がありました。
私は普段解説文を読むと読んで作品を理解した気になり満足してしまうので読まないのですが、空いているブースなので解説文を読んでみました。そこには、猫は官能的な誘惑の象徴であり不名誉と描かれていました。
えぇー!!猫可愛いのに〜!!!!
と思いましたがふと、前に見た山田五郎さんの動画を思い出しました。
猫は12支にも入っていないし、星座にもいない。
自分が見たものと動画で得た知識が一致してとてもいい気分になりました。
猫の絵画の隣には鳥の絵がありました。鳥は複雑な性的ななんちゃらを持つ(字が汚くて読めない)と書かれていました。
その動物がどのような意味を持つか理解することにより絵画をより理解することができる。また絵画の奥深さを知ってしまいました。
ここでお目当てのフェルメールコーナーです。
私が行く展覧会は目玉の作品が大体いちばん最後にあるため今回は途中で出てきたことにより新鮮に感じました。
今回新しく覚えた言葉は「画中画」です。この間見た山田五郎さんの動画で、バジールの画中画の作品を見て素敵だ!!!と思ったばかりでした。
窓辺で手紙を読む女は、4年という長い時間をかけ修復が行われました。
いざ実物を目の前にして思ったことは主役感がすごい、ということ。
今回の展覧会の絵はどちらかというと暗くて小さいサイズの絵画が多く感じたため、この絵のボス感はすごかったです。
この絵の主題となっている
手紙
今の私たちは24時間どんな場所でも電波で繋がっているため手紙を書くことはほぼないですよね。
この間、海外にいる友達と電話をし、電波のありがたさを感じました。手紙を書いて送っていたら相手が読むまで何日かかることか、、
カップラーメンの三分ですら待つことが苦手なせっかちな私には拷問です。
スマホ世代である大学生の私は、手紙を書いて送るよりは手紙を書いてプレゼントに添えることの方が多いです。
フェルメールの作品の中では35点ほどの作品のうち6枚が手紙を主題にしていることから当時の人々にとって手紙は大切なツールであったことがわかります。そういえばゴッホもテオにたくさんの手紙を送っていましたね。
手紙を書く、読む姿を絵画にすると美しいものになるけれどその手紙がスマホになったらどうなるんだろう。
みんなスマホ首で度が強い眼鏡をかけていて、ひたすら文の最後に”w”を打っているところが絵画として後世に残されたらやだなー!!!!!
最後に、あのイケメンは誰に手紙を書いていたんだろう。時代を超えてその書いた手紙が明日うちのポストに入ってないかな。あわよくばラブレターでありますように。