登校渋りの児童生徒がいる家庭が抱える課題
子どもの登校が不安定になると、色々と心配なことが出てきます。
課題としては大きく4つです。
まずは、「1.学習の遅れ」「2.家族関係の悪化」についてお話したいと思います。
1.学習の遅れ
・授業に継続的に出席出来ず、教科によっては他の児童生徒より学習面で遅れが生じる場合があります。
・宿題や提出物について連絡を受け取れず、「提出物が出せない」「授業が分からない」など、自信喪失や不安を抱えやすくなる懸念もあります。
手紙などの配布物もそうなのですが、最近は、親または本人が学校に取りに行かなければ受け取れないことが多いです。
たまに行って、溜まっていた手紙などを受け取った時には、既に色々なものの提出期限が過ぎてしまったり・・・ということもよくあります。
保護者は、どこまで把握し、管理すればいいのか。
あるいは、「とりあえずやらなくてもいい。」と割り切ればいい時、その“やらなくてもいい”期間はいつまでなのか。
具体的に先生と話せる機会がきちんとあると、保護者も子ども自身も見通しが立って安心感につながります。
パーソナルソーシャルワーカーが出来ること!!<学習編>
オンラインでの授業など、登校は難しくても勉強が出来る方法について、どこまで学校が環境を整えられるのか学校と交渉していきます。
最低限把握しておくべき授業内容・進度など、今必要な情報は何かを学校に確認し、家庭へ届けます。あるいは、そういった話を共有出来る場をセッティングします。
必要であれば学習支援に入ります。あるいは、その子にあった地域の支援者・学習場所を探して手配します。
塾やフリースクールの検討も、「今このタイミングで必要かどうか」「必要であればどういった所がこの子に合うか」を子どもも交えて一緒に考えます。
2.家族関係の悪化
・親は、自分の責任だと感じ、自身の子育てを後悔したり、先が見えない焦燥感も出てきます。
・子どもは親の期待に応えられないことに対して、自己嫌悪や無力感を感じることがあります。
・父母間で気持ちに差が出る場合は、子どもへの声かけや態度に違いが出る、負担が偏るなどの影響が出ます。
当初は、「学校でなにかあったのではないか」というところから始まっていたことが、長期化することにより家庭内の問題になってしまい、家族以外の誰かに相談しにくい状況が生まれます。
パーソナルソーシャルワーカーが出来ること!!<家族編>
保護者それぞれの想いや考えを聴きます。「子どものために」と思ってやっていることの一つ一つについて、“子どものためなのか、家族の誰かのためなのか・・・”など、視点を揃えながら整理していきます。
登校スケジュールプラン表など、家庭と学校が共有できるツールを一緒に作り、家庭内の頑張りだけにならないようにします。
子どもとの関わり方についても、児童福祉の専門職だからこそのアドバイスが出来ます。必要であれば、地域の他機関と連携し、家庭に必要なサポートを手配します。
いずれも、一回で解決できる問題ではありません。
良くなりそうに思える時もあれば、一歩後退したように感じる時もあります。
その浮き沈みの波に一緒に揺られながら、思うように前に進まない子育てに伴走していきます。
最低1学期間。
「子どもと家族との間」「子どもと学校との間」「家庭と学校との間」に入り、子どもの気持ちを真ん中に、言葉にならない想いを通訳していきます。
次回は、「3.仕事への影響」と「4.社会的な孤立」についてお話します。
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