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【vol.10】君を書き連ねて
これはとある投稿のあとがき
僕は高校生の頃、芸術コース美術学科という集団に属していた。小さい頃から絵を描くことが好きで漫画やイラスト、立体作品やデッサンを手掛けていた。
そこで初めて着目したのが鉛筆の“濃さ”だ。
小学生の頃に使う柔く濃いBや2B。
薄く線が細いHや4H。
それぞれに向き不向きがあるが繊細な4Hという濃さを気に入っていた。
折れる時は勿論折れるが、固い4Hは繊細なタッチを見事に表現してくれる。
使いこなせたかと言われると頷ける自信があるわけでもないが、僕はこの4Hくらいがちょうどいいと思っていた。
人生も、このくらいがいいんだと。
ある程度固い意志、精神、肉体を持ち得たうえでたまには挫け折れることもある。細く繊細で誰かの気を遣うことができる。その後はまた身を削って尖って己の人生を綴っていく。
まるで当てたような解釈だが、この鉛筆のようでありたい。
鉛筆に例えるなんて普段はしないことだけどふとそんなことが脳裏によぎった。
折れて当たり前だと思って生きよう。
辛い思いや努力をして身を削ればきっと逃げ出したくなるだろう。
でも君は削れていくだけじゃない。
同じくらいに磨かれていくんだ。
ツンツンに尖ったその切先で
輝きを放つその心で
貪欲に未来を綴っていってほしい。