嫌いだった高知にUターンして13年目。そして...
2024.4.12更新
はじめまして、町田美紀です。
2011年に東京から高知にUターンしました。東京では建築士の夫とデザイン&建築事務所を経営していて私はデザインやブランド開発を担当。ファッション、コスメ、フレグランスなど華やかな業界にも多く携わっていました。Uターンしてからは制作業務とは別途、ゼロベースからプロジェクトをいろいろ立ち上げて育てていますので、自己紹介としてまとめてみました。
【2012年】 BAR VALERIAN@ひろめ市場 誕生
ー 3年間営業したのち、高知市上町に移転。
勢いで移住したものの、仕事につながるツテがほぼ無いことに気づき、地元の方とつながるために始めたお店「BAR VALERIAN」。
【2013年】ライフスタイルブランド「SoulSoils」誕生
ー 10周年を迎える来年2023年にSoulSoilsマガジン創刊!
辛味とうま味のバランスが抜群に良いおいしい有機生姜を作る刈谷農園。育てている刈谷さんの生き方ともに感動し、暮らしの中でもっと手軽に生姜をとってもらうためにと、ティーバックタイプのハーブティーを考案したのがはじまり。
生姜以外は、世界中の生産者と家族のような信頼のもと分けていただいているという考えで、フェアトレードにて取引されている上質なオーガニックスパイス&ハーブとをエヌハーベストさんにてオリジナルの配合でブレンドしていただいています。
ブランド名はプロジェクトのコンセプトでもあり、Soul(人のパワー)と Soils(土地のエネルギー)をかけあわせて、伝えるべき現実や知ってほしい活動を広めていきたいという想いを込めています。
SoulSoils オンラインショップ
https://soul-soils.stores.jp/
【2015年】ボランティア団体「高知おせっかい協会」設立
ー 2020年解散した高知おせっかい協会
外国人観光客が少しずつ増えていた背景もあり、高知にいながら国際交流できるといいね、高知の人って隣に一人で飲んでる人がいたらつい話しかけたり、ホテルやお店を勝手におすすめしたりと、おせっかいな気質をだれもが持ってるよね、というところからのネーミング。活動ももっぱらおせっかい活動。
参加条件は、自らをおせっかいと言えるかのみ。会員登録は200名以上になり、登録の際に必須である「どんなおせっかいが得意ですか?」という問いは、本当にさまざまスキルが集まる個性豊かな団体でした。
主な活動は、大型客船が到着する日に合わせて集合し、それぞれ自由に外国人旅行客の方へご案内すること。地図を広げていたら「何か困ってますか?」「どこに行きたいですか?」と聞いてご案内したり、時には一緒にご飯を食べたり。
ネーミングがキャッチーだったこともあり、NHKおはよう日本をはじめ、県内外のメディアにたくさん取り上げていただいた活動でした。
コロナ渦ですっかり停滞し、一旦解散したのですが、この活動がきっかで海外に留学を決めたり、いつかは英語で仕事をしたいと思えるようになった方だったりと、自発的な活動だからこそ、感じた事がたくさんありました。またいつの日か復活させたいなぁ。
おもてなしのお料理のご協力
葉山庵のごはん〜二十四節気と薬膳〜を主宰される
和田亜紀さん
【2016年】ウェブマガジン「and.message」をスタート
ー 2023年に本格始動予定のメディアに収録予定
Uターンした後、さまざまな商品開発やイベントに関わっていますが、未だ魅力をちゃんと自分たちの言葉で伝えられる広告ではない地元メディアが無いなぁと感じています。プレスリリース専門のメディアはさまざまなサービスがありますが、伝えたいポイントをしっかり拾い上げるには生産者に寄り添った言葉が必要で、それを生産者が自らできるかというと正直難しい方々がほとんどだと思います。
その現状を知り、どう解決すべきかは分からないけどもまずは記事を作ってみようと取材記事や映像制作を自主制作で開始しました。映像は言葉を入れずに制作しているので、海外の展示会で活用くださっているそうです。
and.message
https://www.and-message.com/
【2019年】食べ物付き冊子「こうち食べる通信」創刊
ー 2022年9月号で大学生にバトンタッチし卒業
「食べる通信」とは、食のつくり手を特集した情報誌と食べものがセットで定期的に届く“食べもの付き情報誌” 。全国約20前後の地域で展開されています。ある一定の基準をクリアすれば創刊でき、販売手数料を本部にお支払いする仕組みで、高知で創刊したいとO-SHIKOKUの岡林さんよりご相談があり「こうち食べる通信」の編集長を2年務めさせていただきました。
3ヶ月に一度発行し、初年度は情報を皿鉢料理のようにいろいろと組み合わせた構成でタブロイドサイズでしたが、2年目からは1つの食材を徹底的に特集し、持ち運びやすいB5サイズへ変更、チームも再編成しました。リニューアル後は、対象の事業者さんが営業でリアルに活用できるものになったと実感しつつも購読者数の伸び悩み2年で一旦終了。その後、愛媛県のセキ株式会社さんが声をかけていただき「えひめこうち食べる通信」として高知と愛媛の食材を2ヶ月に一度交代で特集するスタイルで創刊しました。
ビジネスモデル的にはそもそも厳しいと思いつつ、取り組みは価値を感じていたので、将来的には食べる通信は学生の学び場として育てられないのかなぁと。現在は、セキ株式会社のスタッフさんの多大なるサポートにより、高知大学・地域協働学部、愛媛大学・社会共創学部の学生さんと協業しながらという体制に少しずつ移行しているところです。私自身はこれから立ち上げるべき事業に専念するために、9月号で卒業させていただきました。
【2019年】竹林寺で食を絡めたジャズライブを開催
ー コロナ渦以後、活動停止中
プロジェクトデザインチーム H O D O K Uを立ち上げ、日本三文殊のひとつである竹林寺にておいしいものとワインなどを楽しめる企画を実現。
【2020年】突然の物件との出会いから民泊運営へ
ー 5年間限定ではじめた一棟貸しの宿「黒潮の家」
ひとつ前の竹林寺のジャズライブについて高知新聞さんが大きく取り上げてくださったことがあり、その記事を見た女性が新聞社にどうしても繋いでほしいと連絡されたことでご縁をいただきました。「まずは見に来て欲しい」と、高知市内から車で2時間半走らせた場所は、美しい入野海岸まで徒歩5分ほどの木造平屋の一軒家でした。
その女性によると、昔は旦那さんと民泊をしていたが、他界したあとは住宅として賃貸していたそうで、この場所をベースに地域に貢献できたりと楽しく活用してくれる人を探していたところ、記事をみてピンッ!ときたそう。
はじめは宿なんてやったこともないし難しいでしょうと思いながら、ちょっと使ってみてほしいとおっしゃっていただき、SUPチームと一緒に泊まってみたり、ふらっと一人で行って、近くのスーパーでビールと刺身を買い込んで海をみながらぼーっとしてみたり。この海の音が聞こえる場所が愛おしくなり、なんかいいかもなぁ…宿をやっても良いなぁ…という気持ちへ変わっていったんですよね。
さらには、知人から偶然にも宿をやりたいと土鍋料理が大好きな子がいるよ!と紹介していただき、市内でゲストハウスを運営している宿のプロ「とまり木」さんのサポートもあり、あれよあれよと民泊をはじめちゃったんです。女将をお任せした麗ちゃんのホスピタリティと土鍋ご飯が最高ですっかり人気宿に。
必要な環境は準備し、最低限の固定費をお渡しする形で運営してもらっていましたが、いずれは独立する麗ちゃんに少しずつ引き継いでいるところです。
オープンについての記事(高知新聞) https://www.kochinews.co.jp/article/detail/396819
女将を取材いただいた「うみべのくらし」さん
前編 >>
後編 >>
【2022年】突然の物件との出会い(その2)からキッチンスタジオの運営へ
ー Everyday Popup!が合言葉の食での挑戦を支援するキッチンスタジオ。
この場所は高知市のど真ん中、はりまや橋商店街という木造アーケードにある古民家物件。食べる通信の編集長を担当している頃にはじめましての女性からこんな場所をやってるんですとメールが届いたんですよね。とても雰囲気のある空気を感じ、まずは伺ってお会いすることに。オーナーさんの意向は、食を大切に想う方に使って欲しく、黒潮の家と同様に、物件は持っているが運営いただける方を探していたとのこと。
私たちが実際に重宝したのはなんといっても料理撮影。作ったらすぐに撮影できるキッチン付きで早朝から深夜まで長時間使えること、空間も切り取れる場所がいろいろあるいい感じの内装でさらには立地条件も良いスタジオっって無いんですよねぇ。他にも語学や料理教室など学びの場としてもいろいろやってみました。
物件のご相談をいただいた2019年は間も無くコロナ渦へ突入。イベントを開催してはキャンセル、延期を繰り返し、停滞状態が続きました。
2022年5月、Brew(ブリュー)は、チャレンジする人を応援するキッチンスタジオとしてようやくオープンの流れになりました。
夢中になれること、一歩踏み出したいことをまずは小さくはじめられる、誰もが主役になれるキッチンスタジオです。また、一緒に挑戦し、成長していく仲間でありたいとも考えています。一歩踏み出せる機会を持てるはずがない、と思っていた方が、一度の経験でみるみる自信を持ち、新たな一歩に踏み出せる機会の増加、また、それを応援したいと考える方とのコミュニティを同時に実現しています。
PR支援キッチンスタジオ
https://www.studio-brew.jp/
【2023年】これからのこと
Uターンしても嫌いだった部分はさほど変わらないけど、応援したいものもたくさんある。社会課題も山積していて、やるべきこと、やれることもまだまだあって。この11年を振り返ると土づくりをしてきたんだなぁーと。全て必要なことだったんだと思います。
だからこそ、ここからようやく舞台を整えていく段階に入れるような感覚で、正直まだまだ上手くいってなくって大変なんですが、未来を考えると楽しみしかない、そんな感じです(笑)。いや、笑うしかない、笑顔で元気にしていればきっといいことあるよ!って毎日言い聞かせてる、そんな状況です。
で、さまざまな活動を通して2022年11月現在考えていることを少し。
食を真ん中にすることで、社会はより良くなるんじゃないか、社会課題に対する解決への糸口も見えてくるんじゃないかって本気で考えています。
そして、もっと地域の方が主役になってほしい、なれると思う。食材の使い方は昔からそこで暮らすおばちゃんやおばあちゃんの方がよく知ってるし、その場所で暮らす人からもっと学べる環境を作りたい。みんなが学び合えるよう環境格差を無くしたい。
楽しい時間を過ごすうちに気づいたら社会貢献できていたり。自然な流れで社会を良くできるような… だれもが主役になれる場所を世界中に作りたい。この場所によって未来がひらける人がひとりでも増えますように。
そのために、まずは食を真ん中に、おいしいを真ん中に。みんなが活用できるメディアを立ち上げます。そして、その次のステップは生産者や事業者の方々が本業に集中でき、販路開拓の可能性を広げられるような広報・PR支援サービスを作りたい。
【2023年】 8/29に起業しました。
「おいしいを真ん中に課題を希望へ」をミッションに掲げるフードエディットカンパニー株式会社VISIONECTを設立しました。
さまざまな課題に向き合えるスペシャリストの方々を丁寧にマッチングし、その場所や地域が根本的に健康になり、地域として発展できるようマーケティングやPRも含めて一緒に整え自走できる運営できる体制を目指し支援していきます。
株式会社VISIONECT
【2024年】 地域とシェフをつなぐ地域創生プロジェクト「and.CHEF」をリリース
現在までに東京・高知で6回開催してきました。普段はレストラン等で働いていて、いつかは起業したいと夢をもつ都内のシェフ2名、高知のシェフ2名がチャレンジしてくださいました。
現在、新たにチャレンジしたいと考えるシェフやサービスの方など、繋いでいただいたり、企業さまとの協業を視野に入れ、企画を進めています。次回は夏前にイベント開催を予定しています。
このプロジェクトは、若手シェフ発掘も兼ねていて、いつかはスター誕生ならぬスターシェフ誕生企画として番組などにできないかなと考えています。