【木村希】なかったことにしない、ことを大切にしたい。
合同会社&ante(以下&ante)は、人と組織の可能性が広がる場を共につくる会社です。原田優香(ゆか)、大滝文一(ぶん)、木村希(のん)の3人で2022年12月に設立しました。これから様々な角度から事業をつくっていきます。
&anteにどんな人がいるのか・どんな思いを持っているのかを知っていただけるきっかけをつくりたいと考え、これから各メンバーへのインタビューを行い、定期的に思いを綴りお届けします。
第二弾は「メンバーの深掘り」をしていきます。今回は、木村希(以下、のん)にインタビューをしました。
聞き手:大滝文一
記録:原田優香
「みんな」「普通」、、?
健全な怒りが常にのんちゃんにはあると思っているのだけど、今回はその辺を深堀りしたいです!怒りっていつくらいから感じてるの?
(のん)健全じゃない怒りだと思う(笑)理不尽とか、なんでこの世界ではこんなことが起きるんだろう?っていう果てしない怒りに近いかな。いつからかでいうと分からないけど、ニュースとか音楽とか周りにある色んな刺激が毎日辛すぎて、2歳頃に「生まれてこなきゃよかった」って思ったんだよね。
え、どういうこと?
(のん)私、記憶力が良すぎて、嫌なことが忘れられないんだよね。まあ良いことも覚えているんだけど。その後でいうと、社会性が身に付くであろう幼稚園の頃かな。「みんな」とか「普通」って言葉が嫌いだった。いちいちその言葉に引っかかって。
「みんな」とか「普通」って言葉を聞くとどんな気持ちになるの?
(のん)そこには「自分が含まれていない」と思うんだよね。「普通こうじゃない?」って言われると、「普通の外に私はいるのね」と思うというか。同時に、「普通」に自分が含まれることの方が危ういんだろうなって幼稚園の頃から思ってた。あとはそういう言葉で世界が同じ色になるのが怖いとも思ってる。「みんな」と同じ方向に向けない人もいるんじゃないか、とか、自分も「みんな」と同じ方向に向きたくないなとか。そんな思いから静かな反抗を繰り返していたかな。上手く表現できないんだけどね。
そこまで反抗するって、のんちゃんの中で何かしらの出来事はあったんじゃない?
(のん)何度かそう聞かれたことがあるんだけど、「これ」っていう出来事はないんだよね。私は恵まれた環境だったと思う。家族との仲も良かったし、友達もいたし、やりたいことも好きにやらせてもらっていたし。多分、自分は勝手に「自分ごと」を拡張しちゃうところがあるんだと思うんだよね。
なるほど。家庭環境はいわゆる「普通」という中で、自分は「普通」に入れてほしくないっていう気持ちとかあったのかな?
(のん)うーん、それはちょっと違うかも。そこに「普通」という縛りは無くて、誰もが持っているモヤっとした気持ちを出す場がないんじゃないか、ということに興味があるというか。自分のことよりも、「誰か」のことに興味があるかな。私のことを「普通」って思わないでって、というより、「普通」という言葉を使うことで、そこには含まれない人たちがいるんだよ、という気持ちなんだよね。
インクルーシブだね。
(のん)インクルーシブって言葉も正直わかんない。ひねくれてるんだよね(笑)
ひねくれ者だけど、真っ直ぐなのかも。
自分のことについてはどう思う?
(のん)まあまあひねくれてると思うね。
ははははは(笑)
(のん)言われたことはやらない(笑)大学院の教授にも、「あなたは自分でしか道を切り拓かないよね」って言われたことがあって。でも社会人になってから、出会う人が増えたからか「真っ直ぐだね」と言われることも増えたかも。自分ではひねくれていると思っているけど、確かにピュアな気持ちもあるかもって思うところも少しある。ピュアなひねくれ者かも!(笑)
どういう時にひねくれとかピュアさを感じるの?
(のん)自分で語るのも違和感あるけど、ひねくれているなあって思う時は自分の意志の強さを感じた時かな。ピュアかもなあって思う時は、善いものは善いものであって欲しいと願ったり祈ったりしている時。なぜ規則とか正解とか実態のないものに苦しまなきゃいけないの?なぜ人が殺されてしまうの?なぜ辛い人がいるのに誰も手を差し伸べられない時がああるの?っていう純粋な悲しみがある。
そもそも普通ってなんだよっていう、絶対的なものじゃないのんちゃんと、そういうのはこうであって欲しい、という絶対的なのんちゃんと同居しているのが面白いね。
(のん)確かにそうだね。道徳的?なところとかは、こうであってくれよ思うね。でもそうでないところは「こうでなきゃ」というよりは、常に何がベストかを考えなきゃって思ってる。誰の幸せなんだろうって。そういう思いを他者にどう伝えるんだろうって考えたりもする。「こんな人がいるんだからわかってよ」って愛いっぱいに目の前の人を殴るのは違うな、とは思いつつ、、(笑)自分の願っているものをどう大切にしながら周りの人と関わろうかな、という感じ。
それは自分の中で答えは出たの?
(のん)それは答えがあるものではないと思う。試行錯誤しながら死んでいく気がする(笑)
なかったことにしない、ことを大切にしたい。
こういう人に憧れる、とか、好きな映画とか、そういうのある?
好きな人は葛藤している人。映画はドキュメンタリーが好きだね。地下映画館でしかやってないような映画はよく観に行って、ただただ悲しんだり考えさせられたりしてる。今までこんな大切なことを知らないで私は生きてきたのか、というダメージを受けることもある。生きるってなんだろうってなる時もある。
すごいなあ(笑)のんちゃんにとって生きるって何?
(のん)分からないね。ちょっと派生するけど、自分のなかには「なかったことにしない」ってうキーワードはひとつある。教科書で学ぶような年表とか武将は頭に入ってこないんだけど、「その土地の伝説」とか「名前の残らない人の生き様」とかにすごい興味があるんだよね。市井の方が多く亡くなっていることを「証言」しているような歴史的な施設にもにも足を運ぶことが多いかな。歴史でなくても、声が大きくない人がどこにいるのかなって意識している。こういう「くくり」みたいなのはなんか違う気もするから、話しててかなり違和感があるんだけど。まあそうだね、色んな人に想いを馳せないといけないって思っている。そういう責任があるとも感じる。一方で、怒りたるものを持っているのは事実なんだけど、実際に自分が思ってる「誰か」に出会った時に「あなたに何がわかるの?」って思われたりするのかなとも考えたりする。
でも、それだけ怒りを表現してくれるのは、当事者の人にとっては嬉しいと思うな。救われる人もいると思う。
(のん)そうかなあ。「その人じゃないと声をあげられない」っていうのは無関心を生むと思うから、今後も「自分ごと」だと思ったことを無視することはしないようにするかな、簡単には言えないけど。ここまで話して思ったのは、言葉にすることで消えちゃうものがあるなってこと。自分のことだけど言葉にした瞬間に「あれ、そうじゃないよな」と思ったりもした。大事にしていることだからこそ、言葉も大切に使いたいね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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