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LGBTのことは分からないと医者に言われた話

どうも!元女子、今パパのこうが です。

僕については、こちらの記事で自己紹介をしています。

「LGBTについて全く教えない」医学部が3割超。北米の4倍、「受診ためらう当事者も」と専門家が警鐘

これは、国内の医学生に対してLGBT教育がされていない現状についての研究結果を受けたものなんですが、共感も多かったので、トランスジェンダーである僕の病院での体験談にも触れながら書いていこうと思います。

治療こそ多様な選択がある

トランスジェンダーの治療について、いくつか前提を書いておくと、僕と同じトランスジェンダーの方でも、注射や手術をしない方もいますし、戸籍はそのままって方も勿論いらっしゃいます。治療をする、しないの選択は本人の自由なので、トランスジェンダー=注射、手術を希望する人 にはならないことを知っておいてください。

あと、戸籍変更至上主義みたいな方(当事者に関わらず)もたまにいて、『トランスジェンダーと言いながらホルモン注射とか手術しないのおかしくない?男(女)になりたいんでしょ?』みたいなバイアスかかりまくりな意見をいう人がいたりしますが、他人の選択に対して人がとやかく言うことではないよね、と思っています。マイノリティの中で多数決やって、何やってんのって正直思っちゃいます。多様性どこ行った?状態です。なので、治療を選択して、戸籍を変更した現在の僕は、あくまで僕個人として望んだ結果、と言えます。

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ホルモン注射のはなし

そんな僕は、ホルモン注射を13年くらい打ってますが、元々男性(身体的に男性/オス)向けに作られたテスチノンデポーやエナルモンデポーなどのホルモン剤を女性(身体的に女性/メス)の身体に入れているわけなので、反応としては声が低くなり、体毛が濃くなり、筋肉質になったり、太ったり、男性化が進みます。最初の1年くらいで落ち着きました。元々持っていた女性としての機能については、生理が止まる、などです。目に見えないものとしては、子宮が萎縮し、卵巣は多房性嚢(のう)胞の形成などにより無機能化していき、ホルモン注射をすると戻れないと一般的に言われる理由としては、これら子宮卵巣が元の状態に戻らないことによるものです。

戸籍変更前は、ホルモン注射は自由診療なので、病院によって金額が違うので1本3000円するところから、800円くらいのところまで様々でした。(もっと高いところもある)なので安い金額を求めて、これまで5箇所くらいの病院へホルモン注射を打つために通院したことがありますが、今は保険診療内なので600円くらいです。

今はほとんど番号で呼ばれるけど、、、

ホルモン注射の投与に関わらず、病院で嫌だなぁと思う場面は多々あります。

名前と戸籍を変える前は、見た目は男性ですが、保険証は女性のもの。大きな声でフルネームで呼ばれる度に嫌気がさしていました。そのため窓口でコソコソと「フルネームが嫌なので苗字で呼んでください」と伝えたりしてました。うまく行く時はいいのですが、たまに笑えるくらい失敗するときがあります。

①窓口でコソコソ伝えていたのに、看護師さんの伝達漏れでフルネームで呼ばれます。②仕方なく診察室の前に座ると、今度は下の名前を読み上げながら、〇〇さんはどちらにいらっしゃいますか?と優しい笑顔で聞かれる。あ、自分です。と伝えてから診察。③お会計待ちの時に、再度大きな声でフルネーム。この時点で、またかよ、となってますが、③処方箋を持って行った調剤薬局でも失敗。苗字でのお願いをしましたが、謎のフルネーム2回呼び、、、これには流石に、もうどうにでもなれ、と笑ってしまいました。笑

この時は『いいですか、病院だって忙しいのです。薬を間違えたり、診察ミスがあってはいけませんもん、名前くらい仕方がないでしょう!』と引きつった苦笑いの自分になんとか言い聞かせてました。笑

LGBTのことは分からない

ホルモン治療をしているデメリットとして、やはり身体には負担が掛かります。

ジェンダー外来として受診できる病院の公式HPでは、男性ホルモン、女性ホルモンいずれの場合も副作用の有無をチェックし、投与量や投与間隔が適正かどうか、定期的に採血を行い、異常があれば適宜調整していく必要がある。ホルモン治療は適正な周期を保って継続しないと体調不良の原因になり、ときに重篤な有害事象を招く。とあります。(source:http://kaizuka-hosp.or.jp/guidance-of-medical/gender/

このことから、僕は生活習慣病など普段の健康チェックも含め、それらに定評のある内科でホルモン治療をしています。

今通っている病院へは最近変えたのですが、以前に通っていた病院でこんな会話がありました。

僕)先生、僕何年も検査してないので、血液検査でホルモン値とか、他の箇所の不具合とか見てもらえますか?

先生)血液検査ね、うん。まぁでもLGBTのことは、分からないんだよね。

僕)・・・(え、今なんて?)

先生)専門じゃないからね、君手術もしてるみたいだし、専門のところで検査した方がいいよ

僕)あぁ、、まぁ。。そうですね。ここじゃ血液検査で分からないですかね?

先生)うーん、どうだろうねぇ。分からない。笑

(確かに、専門ではないと仰ったのだから正直ですし、そうなのでしょう。でも、注射してるじゃーーーん。もし歯が痛くて耳鼻科行って、耳鼻科医が私は専門外だからって虫歯治療しないのはわかるけど、ここではずっと注射してるじゃーーーん、しかも血液検査はできるだろおおおい。え、それとも僕の考えが違うのか、、、うーーん。とりあえず、病院変えるか。。)


そして今の病院は、一般的な内科ですが、事情を説明すると、ここで打ちなよ、と。全部数値出して、生活習慣病とか、肝臓悪いとかも診れるから、と。どちらが優秀な医師で、どちらの対応が正解なのかはもはや判断つきませんが、分からないと投げ出されちゃうと困るのは確かでした。


恥ずかしい、よりも的確な診断が欲しい

セクシュアリティに関する情報を患者本人が診察室で打ち明けられないと、情報不足で誤診につながる恐れもある。同性間での性交渉や、トランスジェンダーの人々のホルモン治療や性別適合手術などに関する情報は、的確な診断をするために重要になる場合がある。(source:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6291ebd8e4b0b1d9845658f0

これは、まさに僕もそう感じています。戸籍を変更したとしても、女性で生まれた事実は変わらないし、服用する薬の量や麻酔などにも影響があるのでは?と素人の頭で思うからです。だからこそ、僕はかかりつけの病院では女性で生まれたことを申告しています。それでもわざわざ言いたくなかったり、言うのを躊躇したりする気持ちもあるのですが、それ知ってたら薬の量変わるよ!とかなっても嫌だし(実際あったので)、35歳のお年頃wで健康にも気を遣わなきゃなとなってきているのでやっぱり的確な診断がいい、と思ったのです。


さて、今回は、ホルモン注射や病院、LGBTのことは分からないと医者に言われた話をしてみました。


最後に、現在子どもがいる身としての気づきを書いておきます。
調剤薬局は、家族が取りに行くパターンもあるからフルネームでも気にしなくて平気だった!当時もじもじしてた僕に教えてあげたい。


では、また次の記事でお会いしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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