ヒートマップ解析による “LP CVRアップの打ち手”【厳選10選】
この記事のゴール
ヒートマップツールはユーザーの行動を可視化できる便利なツールです。しかし、【解析結果】を【改善】に繋げるには、「どんな打ち手があるか」をできるだけ多く把握しておき、「この解析結果なら、この打ち手」というふうに、状況に応じて、A/Bテストや改善施策を進めていくことが必要です。
この記事では、【ヒートマップ解析 ⇒ A/Bテスト案作成】の代表的な例をご紹介し、解析からA/Bテスト運用までをできるだけスピーディーに進めていただくことを目的としています。
《この記事の対応ヒートマップツール》 Ptengine、 Contentsquare(旧 Clicktale) 、User Insight、SiTest、VWOなど、主要なヒートマップツールで得られるデータを想定しています。
【ケース1】セカンドビューに到達するユーザーが70%以下
図1:セカンドビューに到達するユーザーが70%以下
セカンドビューに到達するユーザーが70%以下になっていたら、30%以上のユーザーは、ファーストビューだけ見て離脱しているということです。ここからは、この状況を改善するテクニックです。
《打ち手1》ファーストビューに「数字を含む信頼に繋がる要素」を3つ盛り込む
図2: ファーストビューに信頼に繋がる要素を盛り込む
【効果がある業種】金融、法律事務所、健康サプリメント、ウェブサイト制作、など
【施策】 「数字を含む信頼に繋がる要素」とは、
「累計販売本数1,000万本突破」
「連続売上No.1」(データの出所が必要)
「満足度92%」(データの出所が必要)
などです。数値の訴求が3つ並ぶことで、リズムが生まれ、良い印象を与えることができます。
【ケース2】複数箇所のCTAがどれもタップされていたら
図3: 複数箇所のCTAがどれもタップされていたら
LP内の複数箇所のCTAがどれもタップされていたら、「どこまで読み進んだところでCVしたくなるか」というユーザーの意思決定のタイミングは様々であるということを示しています。
CVしたいタイミングがいつ訪れても、ユーザーの背中を押せるようにしておく必要があります。
ここからは、CTAについて見ていきます。
《打ち手3》CTAにメッセージを埋め込む
図4: CTAにメッセージを埋め込む
【効果がある業種】全業種
【施策】もしLPのCTAに「ご購入はこちら」としか書かれていなかったら、機会損失が発生している可能性があります。
図5の例のようにメッセージを埋め込むことを提案します。
《打ち手4》CTAエリアの冒頭で訴求ポイントを見せる
図5: CTAエリアの冒頭で訴求ポイントを見せる
【効果がある業種】リピート通販など、CTAエリアの情報量が多くなるLP
【施策】 CTAエリアは情報量が多くなりがちです。重要な情報が記憶に残らないということがないよう、ヘッダー部で訴求ポイントを明記しておくことを提案します。
【ケース3】セカンドビューのアテンションが弱かったら
図6: セカンドビューのアテンションが弱かったら
LPのセカンドビューは通常、「自分ごと化」の役割を担うエリアです。「こんなお悩みはありませんか」といったコンテンツが置かれます。このエリアのアテンションが弱いということは、「自分ごと化」を促すことができていないことになります。
《打ち手5》「こんなお悩みはありませんか」の「お悩み」のレベルを深くする
【効果がある業種】コスメ、サプリメント、修理サービス、など
【施策】たとえば、iPhoneが故障して、修理業者を探しているユーザーがいるとします。「iPhoneが故障してお困りですか?」だと、問い掛けのレベルは浅いと言えます。「どの修理業者を選んだらいいかお悩みですか?」とすれば、一段深いレベルに迫ることになります。
【ケース4】サードビューのアテンションが弱かったら
図7: サードビューのアテンションが弱かったら
サードビューは通常、「自社の製品・サービスなら、他社よりもうまく課題を解決できる」ことを説明するエリアです。たとえばサプリメントであれば、独自の成分、独自の製法などがそれに該当します。投資であれば、AIによる投資支援などが該当します。そうした差別化要因がしっかり読まれていないとしたら、機会損失が発生していることになります。
《打ち手6》テキストだけの説明は避けて、画像を入れる。
図8: テキストだけの説明は避けて、画像を入れる
【効果がある業種】全業種
【施策】テキストだけの説明は避けて、必ず図表や写真を入れるようにします。その図表は、パッと見て理解しやすいものでなければなりません。
《打ち手6》堅い文章は「フキダシ+見出し+マーカー」で読みやすい雰囲気づくりを。
図9: 「フキダシ+見出し+マーカー」で読みやすい雰囲気を作る
【効果がある業種】コスメ、サプリメント、健康食品、家電など
【施策】「開発者の声」などは堅い雰囲気になりがちです。 「フキダシ+見出し+マーカー」で読みやすい雰囲気づくりをする必要があります。
【ケース5】「ユーザーの声」のアテンションが弱かったら
図10: 「ユーザーの声」のアテンションが弱かったら
商品の購入、サービスの導入を検討しているユーザーなら「ユーザーの声」を読もうとするユーザーは多いはずです。ユーザーの声のエリアのアテンションが弱くなっているとすれば、見せ方を工夫する必要があります。
《打ち手7》 「ユーザーの声」には簡潔な見出しを入れる。
図11: 「ユーザーの声」には簡潔な見出しを入れる
【効果がある業種】全業種
【施策】 「ユーザーの声」に見出しがついていない場合、「本文をしっかり読んでみないと要点が分からない」という状況になります。その結果、斜め読み、飛ばし読みして、内容が記憶に残らないということになりますので、見出しを付けることをおすすめします。
【ケース6】入力フォームの特定のフォームでアテンションが強かったら
図12: 入力フォームの特定のフォームでアテンションが強かったら
入力フォームの特定のフォームでアテンションが強い場合、「そのフォームの入力に時間が掛かった」ということを示しています。「入力に時間が掛かった」理由としては、「調べないと分からないから面倒だった」といった理由の他に、「迷った」という可能性が考えられます。
《打ち手8》フォームのラジオボタンで入力に時間が掛かっている場合
図13: フォームのラジオボタンで入力に時間が掛かっている場合
【効果がある業種】セミナー集客など
【施策】セミナー集客のLPで、フォームのラジオボタンで入力に時間が掛かっている場合、ユーザーは迷っている可能性があります。
たとえば参加希望日時を選択するラジオボタンであれば、「参加したいがスケジュールが合わない」というユーザーがいる可能性があります。成約すれば単価が高い商材の場合、ユーザーにはぜひ来てほしいはずですから、次のような選択肢を用意しておくことをおすすめします。
「上記日時では参加できないがスケジュールが合えば参加したい」
このような選択肢を設けることで、より多くのリードを獲得することができるはずです。
【ケース7】フッター付近の到達率が15%以上、かつ、アテンションが強い
図14: フッター付近の到達率が15%以上、かつ、アテンションが強い
Smart Phone向けのLPの場合、フッター付近のスクロール到達率は10%を下回るのが普通です。15%を上回っている場合や、アテンションが強い場合は、「もっと情報が欲しい」「このLPの情報だけでは物足りない」と考えているユーザーが多くいる可能性があります。
《打ち手9》フッター上のFAQを置く
図15: フッター上にFAQを置く
【効果がある業種】リピート通販、など
【施策】フッター付近のスクロール到達率が20%を上回る場合や、アテンションが強い場合は、「もっと情報が欲しい」「このLPの情報だけでは物足りない」と考えているユーザーが多くいる可能性があります。こうしたユーザーは、更なる情報を求めてLPから離れていく可能性がありますが、FAQを設置することで、本サイトに確認に行く必要がなくなり、LPからの離脱を防ぐことができます。
図16: フッター上のFAQ
LPのフッター上にFAQを置く場合は、展開型にして、気になる項目だけ読むことができるようにします。
【ケース8】CVしなかったユーザーもLPの最後まで読んでいるユーザーが多い
図17: CVしなかったユーザーもLPの最後まで読んでいるユーザーが多い
多くのヒートマップツールにはセグメントを掛ける機能があり、「CVしたユーザー」「CVしなかったユーザー」でヒートマップを分けて見ることができます。「CVしなかったユーザー」もLPの最後まで読んでいるユーザーが多い場合、「購入を検討したが、何か不安があって、CVしなかった」という状況が考えられます。
《打ち手10》フッター上のFAQの上に、不安を払しょくする情報をまとめて置く
図18: フッター上のFAQの上に、不安を払しょくする情報をまとめて置く
【効果がある業種】リピート通販、など
【施策】 「購入を検討したが、何か不安があって、CVしなかった」という状況を防ぐために、不安を払しょくする情報をFAQの上に置くことをおすすめします。
リピート通販であれば、「一時休止」「お届け日の変更」「解約や変更について」といった情報が不安の払しょくに貢献します。
リースであれば、「修理費用」や「メンテナンス」の情報が不安の払しょくに貢献します。
まとめ
今回は、「LPのヒートマップ解析データを見て、どのようなA/Bテスト案が考えられるか」というテーマで、代表的な“打ち手”10例ご紹介しました。ヒートマップ解析結果からA/Bテスト案を考える際は、“打ち手”をたくさんストックしておいて、「今回の解析結果化は、どの“打ち手”をテストするのが最適だろうか」と考えることをおすすめします。そうすることで、テスト案をゼロから考える場合に比べて、A/Bテスト実施までの時間を大幅に短縮できると考えられます。
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