![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27656858/rectangle_large_type_2_3c7541990e8048c4c31c30b5a4ea95dc.jpg?width=1200)
博士課程には進学するな~博士課程休学中の大学院生のアドバイス~
どうも。暗中模索の大学院生です。
今日皆さんにお伝えしたいのは
「普通に生きたいなら博士課程には進学するな」
もうこれが結論です。これで終わりでもいいんですが「なんでだよ!」って意見もあるかと思うので、博士課程に進学するメリットとデメリットを比較して、本当に行かない方が良いのか証明していきたいと思います。
しかしながら博士課程に進学するメリットとデメリット以前に、まずは大学院の話からする必要があると思います。
➀大学院とは
大学院とは4年制の大学を出た後に進学するところです。大学院では学部時代に学んだ専攻のさらに詳しい領域にまで踏み込んで学習します。いわゆる専門分野のスペシャリストになるための修行場所、これが大学院です。
大学院には修士課程(博士前期課程)、専門職学位課程、博士課程(博士後期課程)があり、各課程を修了し、かつ所定の基準を満たした場合に、修士、専門職学位、博士の学位が授与される仕組みです。
大学に4年通ったら就職と思われるかもしれませんが現在、特に理系の学生は、大学院に進むのも割と普通です。私が通っていた北海道大学工学部のデータを参照しますと
2018年度 北海道大学工学部 卒業者710名(進学者575名)進学率81%
2018年度卒業者・修了者の就職先(50音順) - 北海道大学工学部
と、ほとんどの学生は大学院に進学しています。つまり大学院の修士課程を卒業して就職するのが一般的です。次に修士課程を卒業するメリットについてお話します。
私の考えとしては
「修士課程を卒業して就職するのが一番幸せ」
だと思います。
➁修士課程を卒業して就職するメリット
もうメリットは簡単で
「専門分野に関する企業に比較的楽に就職できる」
ということ。もうこの1点に尽きます。私の同期の就職先が以下になります。
・新日鐵住金・トヨタ・日産・パナソニック・三菱重工・JR東海・住友電気…
もう挙げるとキリがありません。優良企業の嵐。
もちろん個人の力量もありますが、圧倒的に就職がしやすいです。というのも推薦という制度があるので、普通に自由応募で受けるよりも選考が進みやすいようになっているのです。企業の方も、専門知識のある学生を受け入れることができるので安心感があると思います。
しかしその就職の有利さをかなぐり捨てて、進む道が博士課程になります。
③博士課程に進学するメリット
まずは博士課程に進学するメリットを紹介します。修士課程は2年制ですが、博士課程は通常3年制(短縮の卒業もある)になります。なので自分の専門分野をより突き詰めて、その分野のプロフェッショナルとなるべく研究に打ち込むことができます。
また海外で研究を進めたいと考えた際には博士課程を出てることが割と必須条件になります。なので修士課程しか出ていないと「博士課程も出てないのかよ」的な目で見られることがあります。
しかし研究職として一生を考えていないなら博士課程を出る意味はあまりありません。ここから怒涛のデメリットパンチを喰らわそうと思います。
④博士課程に進学するデメリット
・博士課程に進学する学生を企業側は中々採用しづらい
という面があります。というのも博士課程まで進み蓄積された専門性を十分に企業で生かすことができればよいですが、マッチングしないこともしばしばあります。なので企業側で採用を考えた際に、博士課程の生徒を採用するより、修士課程の生徒を採用する方が都合が良いというケースがかなりあります。つまり博士課程は就職しづらいということですね。
・卒業要件が意外に厳しい
これはあまり触れられることのない話題ですが、当然ながら博士課程にも卒業要件があります。自分が在籍していた専攻を参考に挙げますと、まずは修士課程と同じように単位の最低取得数を満たす必要があります。そしてさらに厳しいのが、最低でも第一著者の論文(ファースト論文)を2本、第二著者の論文(セカンド論文)を1本以上学術雑誌に投稿していないと卒業ができません。これが意外に厳しい。研究室によっては中々ファースト論文を書かせてもらえないところもあるみたいで、自分の研究室次第なところがあります。なので研究室の教授とそりが合わなかったりするともう悲惨です。
・大学等のアカデミックポストが少ない
博士課程を卒業する人はそのままアカデミックに残ると思われがちですが、そもそも日本にはアカデミックのポストが少ない(教授や准教授のポストでふんぞり返ってる老害が多い)という問題があります。というのも今各大学の教授や准教授、助教授といったポジションは満杯で、中々若手研究者がアカデミックを突き進んでいくのは難しいのが現状です。上がみんな滅すれば話は変わりますが…さすがにそれは物騒ですし、そういうわけにもいきません。
なんか書いてて悲しくなってきたので、一時休憩。
他にもデメリットはたくさんあるので、折を見て追記しようと思います。(6/6現在)
ひとまずここまで!
みんな、
博士課程にはくれぐれも進学しないように!