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飲食店の未来を拓くシェアキッチンを ヒトトバ榎本代表 ー課題解決P2期振り返り


参加の動機を教えてください
弊社はシェアキッチンの運営を2017年から行っております。地域の「やってみたい、挑戦してみたい」を叶える場所を目指し運営をしておりました。しかしながら運営してみると、地域の方の集う場になりつつあることに気づきました。私は直営だけでなく、地域創生や多様な利用用途を踏まえた新たな飲食店の形として「シェアキッチン」を広げたいと考えるようになりました。そして、そのためにはシェアビジネスを管理する「コーディネーター」の役割を担える人材が必ず必要になると感じておりました。最初はこの人材の育成方法を体系化させたく、課題解決プロジェクトに応募をしました。
 
どんな課題に取り組みましたか
上記のような人材の育成方法・研修方法を体系化できていないという課題に取り組みたいと臨みました。まずこの人材に必要なスキル、シェアの運営管理をすることです。このスキルは既に体系化されていました。もう1つ、必要になってくるスキルは「広報・シェア利用者の堅実な募集」でした。これについては弊社の苦手で、課題になっている部分です。
どのような方法でこれを体系化させられるか、私達が出した答えは、自ら実践して検証することでした。神戸電鉄様の資産、そして広報のお力添えを頂き、10月に販売企画を行いました。机1脚で挑んだこの企画でしたが、弊社が他社様のお力をお借りした初めてのケースでした。弊社には広報や集客のスキームがまだまだ不足しています。しかし、他の事業者様との共創によりこの課題を補強できることを肌で感じることができました。
 

神戸電鉄とのコラボイベントにて


4カ月の活動内容、活動の成果、今後の事業の展望・目標を教えてください
1カ月目はまずはメンターの上田様と、事務局の中川様へヒトトバの現状、実績、課題など私が考えていることを全て共有する時間となりました。その時私が心掛けていたことは、「課題解決プロジェクト」としてではなく、とにかく本心でこの御二方と対峙することでした。名目だけのプロジェクトであれば、途中でも断念しようと挑んでいたことを覚えております。お二人には4か月を通じ、私の気持ちや考えを正面から受け止めて下さったり、プライベートの時間も頂戴したり、様々なことを教えて頂きました。2か月目にはコミュニティマネージャーの久保様の計らいで神戸電鉄西口様をご紹介頂きました。そこで神戸電鉄様の課題も共有下さり、プロジェクトの一環で神鉄様のお力をお借りできないか模索する段階に至りました。3か月目には、最終発表前に行う検証企画を具体的にすべく、神戸電鉄ご担当者様方とzoomを行ったり、現地下見に赴いたりすることが多くなっておりました。同時並行で、最終プレゼンの資料作成、今プロジェクトの着地点を明確にする作業を上田様と行いました。
4か月目は、実際の検証企画を岡場駅前で実施しました。机1脚、神戸電鉄様には本当に様々なご協力を頂き企画を行うことができました。そして、不動産所有されている事業者様の課題、そして今後の展望も見据えることができた素晴らしい4か月となりました。来期には別の神戸電鉄様の企画や別エリアの私鉄グループのアドバイザリー契約を控えおります。私達にできることを地に足を付けて行い、堅実なシェアビジネスの展開を目指していきます。
 
メンターはどのような存在でしたか
上田様は現場主義でした。もちろん会議室で行うメンタリングも非常に有益でしたが、実際のシェアの場や現場でしか感じられない視点を見ながらの議論が、振り返ると今回のメンタリングの真骨頂でした。プロジェクト2か月目芦屋駅付近のシェアキッチン候補の空きテナントへ一緒に訪れた際には上田様の知人の方ともお会いしたり、不動産業の方と条件面の話をする場面などがあり、プロジェクト外の方の考えや事実確認を行えたことは、私にとって掛け替えのない学びとなりました。また、上田様が携わる学生グループの方が実際にシェアキッチンを利用下さった際は、利用までの企画の進め方や学生の想いに触れることができました。私にとって知見を広げることができた、大変貴重なメンタリングの時間は、今後展開しても忘れることのない価値となりました。

 活動を終えての感想を教えてください
参加の動機について本当の本音を織り交ぜると、コワーキングスペースの運営はステークホルダーが多いはずで、参考になることが絶対にあるはずだと思っておりました。実際アンカー神戸に入会させてもらったのも、オープン時期の入会はその後の運営体系も少なからず勉強できるチャンスがあるのではないか?という思惑がありました。ただ、今回のプロジェクトを通じて、他のチームや、このスペースに集う皆様も全て試行錯誤をしていることがあることに気づきました。自分たちで行えないことを、他の方に本心で向き合い、解決策を練りだしていくことがいかに大切かを学びました。このプロジェクトに参加させてもらい、1番大切なことは携わる全ての方に「ありがとう」という気持ちを持つことだと気づきました。来年以降もこの気持ちを忘れずに活動を続けてまいります。皆様、いつもありがとうございます。
 
株式会社ヒトトバ
代表:榎本 康宏

株式会社ヒトトバの榎本康宏と申します。
学生時の世界1周を通じ、他人と接する事の大切さを肌で感じそれからリアルでのサービス、コミュニティの運営について関心を持つようになりました。
現在はシェアキッチンヒトトバの直運営、そしてシェアビジネスの立ち上げ、運営のコンサルティング活動を行っております。また、灘区にて卸販売に特化したスペシャルティコーヒーの焙煎工房も運営しております。


デモデイで晴れやかな表情を見せる、榎本代表(中央)とメンターの上田氏(右)。左は神戸新聞社担当の中川

メンター
上田浩史(うえだ・ひろふみ)
株式会社リーグロ 代表取締役 神戸大学 V.スクール 客員准教授
株式会社リンクアンドモチベーション(東証一部)にて組織変革コンサルタントに従事し、2009年に独立。以降、戦略人事コンサルタントとして延べ100社のクライアント(スタートアップ、ベンチャー企業含む)の理念策定、人事戦略、育成戦略、採用戦略をメインに支援し、組織変革に貢献。ライフワークとして述べ10,000人以上の大学生、高校生、非大卒生を支援し、若者の可能性に貢献。外部CHROやエンジェル投資家として6社のスタートアップ出資も経験。2019年より神戸大学V.スクール客員准教授。

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