課題解決プロジェクト1期 デモデイ  4チーム 「0→1」にチャンレジ

 アンカー神戸GMの篠原です。本日は、課題解決プロジェクト第1期(シーズン1)デモデイの報告です。
 企業の新規事業開発や創業期のスタートアップ・ベンチャーなどをサポートするアンカーの「課題解決プロジェクト」。第1期を昨年10月より展開してきましたが、5月27日に、アンカー神戸の1周年記念事業の一つとして、デモデイ(成果発表会)を開催しました。4チーム(3社1人)が半年間練り上げた事業や新規事業の計画について、集まった約80人(オンライン含む)の前で披露しました。とても熱気があり、ポジティブな雰囲気に包まれたイベントの様子を紹介します。

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 参加したのは、以下の4チームです。
・創業100年超の老舗食品商社「石光商事」
  (メンター:Co-StudioCOO今林知柔氏)
・神戸を代表するホテル「神戸ポートピアホテル」
  (メンター:大手ベンダーアクセラレーター事業開発担当松尾圭祐氏)
・美容師が経営するスタートアップ「PEPELABO(ペペラボ)」
  (メンター:ハイブリッドマーケティング代表徳山寿吉氏)
・「エシカルな暮らし」を展開する県立大学3年大野陽菜さん
  (メンター:ノヴィータ会長小田垣栄司氏)


 石光商事は、コーヒー豆を使った新規事業について、アイデア創出から挑戦しました。一般参加者を募って、イベント形式のデザイン思考のワークショップから始め、イノベーティブなアイデアを探しました。

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 コーヒービールなどのアイデアを模索しながら、最終的には、今後、自社の経営資源を知的財産に転換する事業をできないか、引き続き検討することになりました。メンターを務めていただいたCo-StudioCOOの今林さんは、アンカーのプレプロジェクトからの付き合いです。プレプロジェクトでは同じように「0→1」をつくる作業に取り組んでいただき、事務局側の我々も驚く2社の法人化という成果を導いていただきました。アイデアが全くないケースの場合、今林さんにお願いすれば想定していなかったイノベーティブなアイデアへ導いてくれるとの全幅の信頼を寄せています。我々も驚く新しい事業へ。石光商事の今後に期待です。

 神戸ポートピアホテルは、ホテルの強みを生かした新規事業開発に取り組みました。

ポートピア

 同社は昨年、社内公募でアイデア出しを行い、それらの事業のいくつかを実行しながらのプロジェクトでした。同時並行で複数のプロジェクトを走らせる中、開発室の3人が、新規事業を組織の中で通すという重大な作業を推進しました。アンカー神戸でも、会員から新規事業をやらなければならないと相談を受けますが、その社員も会社も全く新規事業をやったことがないというケースが少なくありません。開発室の3人にとっても、新規事業開発としては未知の領域。メンターの松尾さんと、どのように経営陣を納得させるロジカルな提案ができるか、などの模索が続きました。当初、ホテルの味を生かした冷凍食品事業などを検討しましたが、最終的にホテルでは先進的な事業開発に着地しました。ホテルが持つ強みを生かせる事業です。事業計画を実行していくこれからがまさに本番ですが、アンカーでも引き続きサポートしていきます。

 PEPELABOは、美容師の柴田さんが立ち上げたスタートアップです。回数券アプリ「MATAKUL(マタクル)」の事業、顧客拡大に取り組みました。

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 メンターは、ミント神戸を会場にスタートアップ支援を行った神戸スタートアップオフィス時代からお世話になっているハイブリッドマーケティングの徳山社長です。マタクルの課題は、顧客が思ったように伸びず、どのように進めて行けば良いのか専門家のアドバイスを得たい、というものでした。徳山さんによる、マーケティングの王道ともいえる指導が続きました。メンタリングでは毎回、宿題が出され、柴田さんもインターンの学生などとともに、その宿題をこなし、成長のための骨格を作り上げる作業が積み重ねられていきました。ほかのチームは、途中どうなるのかなどという「波乱」があったのですが、PEPELABOチームは、徳山さんのタスクを着実にこなしゴールへ一歩一歩近づくという半年間でした。この半年でマーケティングの基礎を固めたPEPELABOとマタクル。6月からは、トーマツ所属の松本修平インキュベーションマネジャーによるトーマツブートキャンプに参加することが決まっており、さらなる飛躍を目指します。

 最後は、唯一の学生である大野陽菜さん(兵庫県立大学3年)です。大野さんは「倫理的な」を意味するエシカルな文化を広めるべく、エシカルグッズの販売拡大に取り組みました。

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 大野さんの会社では、大手デベロッパーと連携し、全国でポップアップを展開しています。その忙しい合間を縫いながら、小田垣さんによる熱いメンタリング、課題解決プロジェクトの活動を推進しました。メンタリングでは途中、大野さんから「この仕事をしていて意味があるのか」と打ち明けられた時もありました。また、教科書通りの事業拡大計画を示す大野さんに、小田垣さんからは「それは本当にやりたいことなの? 大人たちの真似をせず、もっと大野さんらしい計画を練った方がいいのでは?」などの助言がありました。大野さんと小田垣さんのメンタリングはまるで青春ドラマの1場面を見ているようでした。大野さんはもともと、アンカーで2021年夏に開催された関西若手起業家ピッチコンテストで神戸新聞社賞をお渡しした若手起業家でした。アンカーの目標の一つとして若者の起業支援がありますので、今後もサポートを続けていきます。

 紆余曲折を経ながらですが、参加企業が目の前で成長していくのを実感した半年間でした。4チームをフォローアップしつつ、6月からは『課題解決プロジェクト〜アンカー「0→1」チャレンジ』2期がスタートします。様子は追って紹介します。ご期待ください。

(アンカー神戸ゼネラルマネジャー、神戸新聞社神戸新聞地域総研地域連携部:篠原佳也)

【課題解決プロジェクト】
 アンカー神戸が提供するアクセラレーションプログラムの1つで、新規事業開発に取り組む企業や創業期のスタートアップ・ベンチャーなどを対象とする。各チームには、事務局でメンター1人を選定し、半年間並走してもらう。メンタリングは2週間に1回、1時間程度を行う。アンカー会員なら誰でもが無料で参加できる。アンカー会員でない企業・個人も会員になることで参加できる。
 もう1つのアクセラレーションプログラム「トーマツ ブートキャンプ」との棲み分けは、課題解決が「0→1」を支援する一方、トーマツブートキャンプは1から10、100にスケールさせる役割がある。

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