【TRPG】10年くらいTRPGのゲームマスターをやっていて見えてきたこと
これは mohikanz TRPG Advent Calendar 2019 の11日目の記事です。
なんだかんだ、TRPGに初めて触れてから10年以上経ちました。長いプレイ経験の殆どをクトゥルフ神話TRPGのゲームマスター、「キーパー(KP)」をやってきました。他のシステムでマスターをやったこともありますが、まあ大抵はクトゥルフでした。楽なんですよね、クトゥルフ。
大失敗セッションもやりました。心に残る名セッションもやりました。どちらでもないセッションも沢山やりました。
それらのセッションを振り返りながら、見えてきた事を徒然と語っていこうと思います。
TRPGを比較的よく遊ぶ方で、マスターにも興味が出てきたという方に、ちょっとしたアドバイスになるかなくらいの気持ちで書いています。参考にしてもいいし、無視しても構いません。
あともうちょい沢山書く気だったのですが、日付変わってしまったので投稿します。
1. キャラクターのモチベーションに気をつけろ
楽しいセッションを作るための原則です。
特にシナリオの序盤にありがちな光景、似たシーンを見た事があるのではないでしょうか。
「事件が発生しました! 突然刃物を持った男が現れて通行人を襲っています!」
「えっ。じゃあ警察に通報します」
ゲームマスターもプレイヤーも、警察が事件を解決してくれるのでこの後プレイヤーは事情聴取されて日常に戻る、などと考えてはいません。しかし、日常生活を送っているキャラクターの自然な反応としてはこうなるでしょう。
上記はやや極端な例ですが、シナリオ序盤のキャラクターたちが、ゲームマスターが描写した事件にすぐ主体性を持って解決に向かうかというと答えはNOです。
私がどうしているかというと、大抵の場合事前にキャラシートを貰って、そのキャラクターがどういうバックグラウンドを持つ人物なのかを考えます。正義感にあふれる人物であれば目の前に悪を、金に目のない人物であれば金、大切な人がいるならその人をさらって行くなど。
先程と同じシーンを僕なりに再描画するならこうです。
「突然刃物を持った男が通行人を襲い始めました。男はあなたを睨み、次の獲物に決めたようです。不運な事に彼我の距離は(...フェイクダイス)あ、2メートルですね」
「近ぇ! しゃーない殴って止める!」
導入部で上手くキャラクターのモチベーションを作れるかどうかが、その後キャラクターが上手くシナリオに参加できるかに関わります。逆にこの部分がプレイヤーの空気を読んだご都合主義になると、物語はクライマックスに進むがプレイヤーの心はいまいち没入せず、という悲しいセッションになりがちです。
2. シナリオのクライマックスのことは忘れろ
事故セッションにならないための原則です。
最高に面白いシナリオを読み、一緒に遊びたくなりました。このクライマックスが鳥肌が立つ、きっとこのシーンを皆が楽しんでくれる。良いモチベーションになるでしょう。でも、セッションが始まったら一旦そのことは忘れてください。
描きたいクライマックスを持ったままマスタリングすると、そのクライマックスに向ける誘導が始まり、プレイヤーは敏感にそれを「不自由さ」として察知します。その不満を解消するのは至難の業です。
先の事を考えるのも大事なのですが、プレイヤーが今この瞬間に何をしたいのか、何を考えているのかを見ておくようにしましょう。プレイヤーに見えているのはクライマックスではなく、マスターが進めている所までのシナリオです。もし終盤に最高に面白いシーンがあっても、今現在がつまらないならゲームを進めていくモチベーションは下がるでしょう。
3. 大成功セッションは奇跡だと理解せよ
マスターとして挫けないための原則です。
ある程度こなれてくると、満足度60%くらいのセッションをコンスタントに遊ぶことは可能です。熟練マスターなら80%くらいはキープするかもしれません。
しかし、マスターもプレイヤーも心の底からやってよかったと思える100%大成功セッションは、あらゆる要素が奇跡的に噛み合った奇跡のようなものです。
大成功セッションを目指すためにはマスターもプレイヤーもブレーキを外して本気になる必要があり、そうまでして頑張った結果大失敗セッションになることもあります。辛いのです。
だから諦めろというわけではありません。むしろマスターを続ける限り、大成功セッションを夢見て当然です。動画で見たあの総大なクライマックスを自分の手で描くことが、マスターの楽しみなのですから。
積極的に奇跡を掴むための本気の冒険をしていって良いのです。しかし、掴めなかった時に過剰に自分を責める事もない、という事が本来言いたいことです。
4. よく休め
セッションを失敗させないための原則です。
マスター、プレイヤーの疲労は大敵です。寝落ちプレイヤーとか論外です。一緒に楽しむ仲間の体調には気を配りましょう。「早く寝たいから」シナリオの結末を急ぐプレイングは悲しいものです。
シナリオを読み込んで、適宜休憩を入れられるポイントを予め考えておきましょう。4時間を超えるセッションであれば、2時間毎には休憩を取りましょう。
まとめ
私がマスタリングをする上で気をつけていることを徒然と語ってみましたが、いかがでしょうか。
1と2を守っていれば、大体70%くらいは楽しめる普通のセッションができるんじゃないかなというのが自分の考えです(寝て起きたら他にも気をつけるポイント思いつくやもしれぬ)。
しかし本当にやりたいのは大成功セッションなので、大成功セッションを作るための原則があれば教えてください、是非に。