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【まっぱだか】1週間車中泊からベッドに辿り着いた話⑥

安楽涼

監督・主演作『1人のダンス』が元町映画館で1週間限定公開された2019年8月31日～9月6日。僕、安楽涼はお金もないので1週間車中泊をしながら舞台挨拶をしました。その時の元町での7日間のお話。ベッドで眠れる日が来るまでのお話。6日目。

2019年9月5日。朝日は残酷にも車内に差し込んできて炙り起こされる車内。車外へ脱出。Tシャツを車の上に干す。いつも通り。

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毎朝自販機で飲み物を買いがぶ飲みをする。これもルーティン化していた。

まずは元町映画館へ。携帯を充電し林支配人と話す。林さんは僕が夜に飲みに行く事を”ナイトクルージング”と言っていた。昨日のナイトクルージングの話をして涼んだ。そしてご飯へ。

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元町通り３丁目キーマカレー専門店さん。何度も通りかかって気になっていた。1人でカレーを作り接客までこなす女性の店員さん。キーマカレー、シンプルに超おいしいです。あっという間に平らげると「おかわりは？」と聞かれ、咄嗟に「はい」と答えていた。5日目でもうお金も尽きてきていて、やっちまったなーと思いながらも、美味いからいいやとなり2杯目も完食。そしてまさかのおかわり代が無料だった。よし映画の話しようと思いながらも、なぜか切り出せず、帰宅。2021年8月に再び行って2年越しに話しかける事に成功した。

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AMCHORの前を通ったらこんな紙があった。今日遂にマスターのダイさんが映画を見に来てくれる。こっちが義理ばかりだ。

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ANCHORで出逢ったナガタさんが働くお店へ。「おー入りや」と入れてくれた。カルビ丼が絶品。この街美味しいもん溢れすぎ。そんななか運命の出会いを果たす。その場で飲んでいた方が僕が車中泊をしていると聞き、「空いてるマンションの1室あるから使ってええで」と言ってくれた。え？初対面すよね？となったが、空いてるからええねんと。その場の飯代まで出して貰ってしまった。「鍵預けとくから受け取ってええで」と言い、その方が帰っていったその後、ANCHORで出逢ったタムさんを通して本当に鍵を受け取った。え、マジで？

その後、元町映画館へ。上映6日目。驚く出来事があって浮かれていた。ただ今日はダイさんが来る日でもあった。動員は昨日より少し落ちたものの沢山の方に来て貰えた。ダイさんと御一行が到着。さらに元町で再会した同級生も来てくれた。一緒に場内で見た。今日も元町映画館スタッフの石田涼さんと舞台挨拶。普段いつが休日か全然知らないけど、休日返上で付き合ってくれている。感謝だ。

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場内がほとんどこの数日で会った方ばかりであった。まさかの同級生から質問がきて答えた。小学校の頃映画監督に僕がなってるなんて想像もしなかったろう。いつも支配人の林さんは奥で優しく見守ってくれている。その後ロビーで沢山の人と話した。ダイさんは僕の肩を叩き「後で覚えとけよ」と言って店の営業へと向かった。

その後、すぐANCHORへ行き見に来てくれた方が沢山。ダイさんは泣いたそうだ。身に覚えがある話だったみたいで熱く語ってくれていた。この日だったか不確かだけど『まっぱだか』に出てくれたコウちゃんも沢山感想を言ってくれて、花屋のタムさんはまさかの西葛西に住んでいた過去があり超盛り上がった。凄く幸せな夜だった。

2021年の先日、タムさんもダイさんも東京に来た際に僕の家に泊まった。100くらいあるだろう恩の1くらいは返せた気がする。

そして、ANCHORの皆さんに連れられ、マンションの1室へ。タムさん曰く「僕もたまに泊ってるから大丈夫やで」と。

着くと本当に普通のお部屋だった。しかもベッドに冷房。冷蔵庫まで使って良いと。目の前にはベッド....うおお。

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こうなった。

涼しくて最高の睡眠へ辿り着いた。この街は、おかしいとすら思う、人への暖かさをこの6日で感じている。貰ってるものだらけだ。元町は良い街。

これが、1週間車中泊からベッドに辿り着いた話。次はエピローグというか公開最終日。睡眠は大事。この日の睡眠は過去一番気持ち良かったと思う。

続く


『まっぱだか』
2021年／日本／99分
監督・脚本・編集：安楽涼、片山享
出演：柳谷一成、津田晴香、安楽涼、片山享、タケザキダイスケ、大須みづほ 他
8月21日(土)より元町映画館、9月10日(金)より京都みなみ会館、
9月11日(土)より、大阪シネ・ヌーヴォにて京阪神先行ロードショー。
https://mappadakacinema.wixsite.com/mappadaka
© 2021 元町映画館

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