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2日目のカレー

みなさんこんばんは。

あまり料理にこだわりは無い私でございますが、たまに思い立ってスーパーへ足を運び、その日の気分に合わせた材料を買い込んで1人カレー作りを始めたりすることがあります。スパイスからとまでは言わず市販のルーを使いますが。

私のおすすめは豚バラブロックを使った角煮カレー。

こってりとした男の子大満足のカレーです。

レシピは適当に調べてください。


さて、そうしてカレーを食べるたびにふと思い出すのです。

母は別に料理の下手な人ではありませんでしたが、今思えば母の作るカレーは水っぽいといえばいいのか、とろみがかなり抑え気味でした。シャバシャバでした。

幼い私はそれが一般的なカレーなのだと信じて疑わず、しっかりおかわりまでする食べ盛りでした。

おそらく休みの日のお昼、家族で母のシャバシャバカレーを食べていたときだったかと思います。

母からその言葉を耳にしました。

皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。


「カレーは2日目が美味しい」


カレーは作ったその日よりも翌日に食べたものの方が美味しいという説。

根拠はよくわかりませんが、なんだか2日目に食べるカレーは、確かに少しばかり前の日より美味しい気がします。

具体的に何が違うのかを説明できるほどの力は私にはありませんけれど。

この都市伝説には色々な説がありますが、「一晩寝かせることによってルーに具材の旨味が染み出すから。」と言うのが、インターネット様にお伺いした中では一番もっともらしい説明でした。

むしろ菌の繁殖を懸念して注意喚起するページの方が多かったような気がします。

私はしばらく、こんなよくわからない都市伝説をあまり疑うこともせず、確かにその通りだと思いながら生きてきました。


別に大した気にもしてなかった母の「2日目のカレーは美味しい」の本当の意味


それを知るのは、自分でカレーを作るようになってからでした。

あまり私は自炊をする方ではありませんが、カレーというのは簡単な料理だと思います。

特別な技術も特別な材料も使いません。

何より、カレールーさえ作ってしまえば食卓がそれだけで完結できます。

添えるとしても野菜をささっと切ってサラダくらいのものです。

ただ、その日分だけ作るとなるとちょっとアホくさいんですよね。切って、炒めて、煮こんで、ってするのは。

当然のように、その日のお腹を充分に満たせる量よりも多めに作ります。

そして、次の日のメニューも自然とカレーになるのです。

カレーに限らず他の料理も次の日に持ち越される事はあるでしょう。

ポテトサラダ、きんぴらごぼう、煮物、、、

しかし、そんな小皿とは訳が違います。

カレーはスター。食卓の顔です。ドラマのキムタクです。

「2日連続で同じものを食べる感」が強いんですよね。

そういえば母がカレーを作るのは決まって次の日が休みの日。

家族が揃って自宅でお昼ご飯を食べる日の前日でした。

「カレーは2日目が美味しい。」

もしかするとあれは2日続けて同じ献立なことに対する母の後ろめたさからくる言葉だったのかなと。

当時の僕は、さらに美味しくなった好物のカレーを今日も食べられると喜んでおかわりしていたんですけどね。


今では私も上京して社会人。

母の作ったシャバシャバカレーを食べる機会もありません。

地元に帰った際にわざわざ作ってくれと言うほど母のカレーが食べたいと言うわけではありませんが、そろそろ母のカレーの味も忘れつつあります。








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