【2-7(3)】上肢の脈管 国試過去問
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【2-7 循環器系 - 上肢の脈管】
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【あん摩マッサージ指圧師】国家試験問題
<1995 あマ指 37>
内側上腕二頭筋溝の深部を通るのはどれか。
1.上腕動脈
2.橈骨神経
3.腋窩静脈
4.筋皮神経
【答え】1
この問題は1番が正解です。
上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通ります。
上腕動脈は正中神経と伴行することも大切です。
その他の選択肢について確認します。
2. 橈骨神経:上腕骨後面の橈骨神経溝を外側下方へ斜走 → 上腕三頭筋外側縁 → 外側筋間中隔を後ろから前に貫通 → 外側上顆の前方
外側上顆の前方で腕橈骨筋に枝を出した後、橈骨神経は浅枝と深枝に分かれます。橈骨神経浅枝は手背の橈側に分布する皮神経で、深枝は前腕伸筋群の支配神経です。
3. 腋窩静脈:腋窩 → 第1外側縁まで
(橈側皮静脈が三角筋胸筋溝より腋窩静脈に注ぐ)
4. 筋皮神経:烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間に入り、上腕屈筋群を支配します。
<1998 あマ指 37>
斜角筋隙を通過する血管はどれか。
1.総頚動脈
2.腕頭動脈
3.椎骨動脈
4.鎖骨下動脈
【答え】4
この問題は4番が正解です。
斜角筋隙は鎖骨下動脈と腕神経叢が通過します。
走行についてのおさらいです。
鎖骨下動脈は右は腕頭動脈から、左は大動脈弓から直接分枝します。胸郭上口に出て、斜角筋隙を通過。第1肋骨の外側縁で腋窩動脈となります。
その他の選択肢について確認します。
1. 総頚動脈は右は腕頭動脈から、左は大動脈弓から直接分枝し、気管と甲状腺の外側を上行します。
そして、甲状軟骨上縁の高さで二分して内頚動脈と外頚動脈になります。総頚動脈の分岐部の高さはよく問われますので、抑えておいて下さい。
2. 腕頭動脈は大動脈弓の第1枝です。右総頚動脈と右鎖骨下動脈に分かれて終わります。
3. 椎骨動脈は脳を栄養する血管としてとても重要です。第6頸椎以上の横突孔を上行し、大後頭孔より頭蓋腔内に入ります。そして、延髄と橋の境界近辺で左右の椎骨動脈が合して、脳底動脈となります。
<2001 あマ指 29>
前腕の動脈について誤っている記述はどれか。
1.尺骨動脈は手根管を通る。
2.尺骨動脈は浅掌動脈弓を構成する。
3.橈骨動脈は上腕動脈から分岐する。
4.橈骨動脈の脈拍は触知できる。
【答え】1
この問題は1番が誤っています。
尺骨動脈は手根管を通りません。尺骨神経とともにギヨン管(尺骨神経管)を通ります。
その他の選択肢について確認します。
2. 橈骨動脈は深掌動脈弓の主体をなし、尺骨動脈は浅掌動脈弓の主体をなします。
3. 上腕動脈は肘窩にて橈骨動脈と尺骨動脈に分かれて終わります。
4. 通常、脈拍をとるときには橈骨動脈が多く使われますが、小指側の尺骨動脈でも脈を触知することは可能です。
また、橈骨動脈の脈拍は解剖学的嗅ぎタバコ入れ(橈骨小窩)でも触知可能です。ぜひ触ってみて下さい。
<2002 あマ指 18>
三角筋胸筋溝を通過する血管はどれか。
1.腋窩静脈
2.上腕静脈
3.尺側皮静脈
4.橈側皮静脈
【答え】4
この問題は4番が正解です。
橈側皮静脈は前腕橈側より上腕二頭筋外側縁を通り、三角筋胸筋溝より腋窩静脈へと注ぎます。
その他の選択肢について確認します。
1. 腋窩静脈は第1肋骨外側縁より鎖骨下静脈となり、内頚静脈と合流して腕頭静脈となります。そして左右の腕頭静脈が合わさり上大静脈となります。
2. 上腕静脈は腋窩に入ると腋窩静脈となります。
3. 尺側皮静脈は前腕尺側を上行し、上腕二頭筋内側縁を通り、腋窩の下縁付近にて深部の静脈(上腕静脈あるいは腋窩静脈)に注ぎます。
<2007 あマ指 27>
上肢の動脈について正しい記述はどれか。
1.上腕動脈は正中神経と伴行する。
2.橈骨動脈は腋窩動脈から分岐する。
3.尺骨動脈は手根管を通る。
4.尺骨動脈は深掌動脈弓の主体をなす。
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かずひろ先生の【徹底的国試対策】解剖学
あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師をはじめ、柔道整復師、理学療法士・作業療法士や看護師、医師を目指す方々の解剖学国家試験対策のマガジ…
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