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【2-9(1)】循環器系 - 頭頚部の脈管 解説

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【2-9 循環器系 - 頭頚部の脈管】 
 ■【2-9(0)】頭頚部の脈管 学習プリント
 ■【2-9(1)】頭頚部の脈管 解説(このページ)
 ■【2-9(2)】頭頚部の脈管 一問一答
 ■【2-9(3)】頭頚部の脈管 国試過去問

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− 学習のポイント −

1. 頭頚部の動脈
総頚動脈
 内頚動脈:眼動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、後交通動脈
 外頚動脈:顔面動脈、後頭動脈、浅側頭動脈、顎動脈、上甲状腺動脈
鎖骨下動脈:椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈
ウイリス動脈輪(後大脳動脈と中大脳動脈を後交通動脈が結び、左右の前大脳動脈を前交通動脈が結ぶ)

2. 頭頚部の静脈
硬膜静脈洞(硬膜の中を通る特殊な血管。上矢状静脈洞、下矢状静脈洞)
内頚静脈(外頚動脈+内頚動脈の灌流域の静脈血を集める)
外頚静脈(後頭部の皮静脈の血液を集める細い血管)

3. 頭頚部のリンパ
頚リンパ本幹に集まり、胸管または右リンパ本幹に合流し静脈角に注ぐ。

■ YouTube 頭頚部の脈管 解説

■1. 頭頚部の動脈

▶ 頭頚部の動脈の主幹は総頚動脈と鎖骨下動脈

循環器系-23-大動脈弓-図

頭頚部の動脈の主幹は総頚動脈鎖骨下動脈およびその枝である椎骨動脈です。

【徹底的国試対策】2-9 循環器系 - 頭頚部の脈管.011

こちらに総頚動脈と鎖骨下動脈の枝について、チャートにまとめました。細かい図に関してはこの後見て行きますので、まずは要点を抑えます。

総頚動脈甲状軟骨上縁の高さで内頚動脈と外頚動脈に分かれます。
また、この部位は頚動脈三角にあります。

内頚動脈頚部では一切枝をださずに、頚動脈管より頭蓋腔内にはいります。そして椎骨動脈とともに脳を栄養します。

頭蓋腔内に入った内頚動脈は、まず眼動脈を分岐します。その後、前大脳動脈中大脳動脈後交通動脈に分かれて終わります。

覚え方のイメージです。
横断歩道をわたって中央大学の前に立っている想像をしてみてください。「眼の前の中大、後ろ交通」

外頚動脈は頚部の上部と顔面部、頭部に分布します。ここでは上甲状腺動脈顔面動脈後頭動脈浅側頭動脈顎動脈を上げています。

本当は、まだ枝あるのですが、あはきの教科書ではこの5つが枝としてあげられているので、このチャートでは5つにしぼってあります。

鎖骨下動脈の枝はツナコロッケでした。椎骨動脈内胸動脈甲状頚動脈肋頚動脈です。

循環器系-29-頭頚部の動脈-椎骨動脈-暗記用SQ

循環器系-29-頭頚部の動脈-椎骨動脈-SQ

このうち、頭頚部の脈管として特に重要なのが椎骨動脈です。第6頸椎以上の横突孔を上行し、大後頭孔より頭蓋腔内に入ります。

左右の椎骨動脈は延髄と橋の境界付近で合わさって、脳底動脈となります。脳底動脈は橋の上部で左右の後大脳動脈に分かれます。

頚部は、下部に鎖骨下動脈、上部に外頚動脈が主に分布します。

国試でよく出るところとしては、下甲状腺動脈鎖骨下動脈 - 甲状頚動脈の枝で、上甲状腺動脈外頚動脈の枝です。

▶ 頚部の三角

循環器系-29-頚部の三角SQ暗記用

循環器系-29-頚部の三角SQ

こちらは頚部の三角です。

胸鎖乳突筋を境に、正中線・下顎骨下縁・胸鎖乳突筋 前縁により前頚三角が作られます。

一方、胸鎖乳突筋 後縁・僧帽筋 外側縁・鎖骨により後頸三角がつくられます。

前頚三角はさらに4つの三角からなります。

下顎骨 下縁・顎二腹筋 前腹・顎二腹筋 後腹は顎下三角をつくります。
顎下腺顔面動脈などが含まれます。

頚動脈三角は、顎二腹筋 後腹・肩甲舌骨筋 上腹・胸鎖乳突筋 前縁で作られます。頚動脈三角は、総頚動脈分岐部や頚動脈洞、迷走神経などが含まれます。

オトガイ下三角と筋三角は正中線が含まれます。

オトガイ下三角は正中線・顎二腹筋 前腹・舌骨体により作れれます。オトガイ下リンパ節などが含まれます。

筋三角は肩甲舌骨筋 上腹・胸鎖乳突筋 前縁・正中線により作られます。甲状腺浅頸リンパ節などが含まれます。

後頸三角は後頭三角と鎖骨上三角にわかれます。

後頭三角は胸鎖乳突筋 後縁・僧帽筋 前縁・肩甲舌骨筋 下腹によりつくられます。後頭三角には外頚静脈副神経頚神経叢腕神経叢が含まれます。

鎖骨上三角は肩甲舌骨筋 下腹・胸鎖乳突筋 後縁・鎖骨により作られます。
鎖骨上三角はには鎖骨下動脈の他、静脈角へと注ぐ胸管(左)や右リンパ本幹(右)などが含まれます。

▶ 頭頚部の動脈(浅層)

循環器系-29-頭頚部の動脈-浅層-SQ暗記用

循環器系-29-頭頚部の動脈-浅層-SQ

総頚動脈甲状軟骨上縁の高さ外頚動脈内頚動脈に分かれます。

内頚動脈の起始部は膨らんでいて、頚動脈洞とよばれます。頚動脈洞には圧受容器が存在し、血圧の変動を感知するセンサーとなっています。血圧の変動は圧受容器で感知され、舌咽神経の求心路により脳幹に伝えられ、自律神経を介して血圧の調節をします。(圧受容器反射

総頚動脈分岐部や、頚動脈洞は頚動脈三角に存在します。

内頚動脈頚部では枝をださず、頚動脈管より頭蓋腔内へ入ると、椎骨動脈とともに脳を栄養します。

鎖骨下動脈系統は頚部の下部、外頚動脈系統は頚部の上部と顔面部を栄養します。

▶ 頭頚部の動脈(深層)

循環器系-29-頭頚部の動脈-深層-SQ暗記用

循環器系-29-頭頚部の動脈-深層-SQ

こちらは胸鎖乳突筋と肩甲舌骨筋を切断して、総頚動脈・外頚静脈などの動脈を剖出したものです。

ここでは外頚動脈の枝について見て行きます。

外頚動脈は前方に上甲状腺動脈舌動脈顔面動脈の3枝、内側に上行咽頭動脈を出し、後方に胸鎖乳突筋枝、後耳介動脈後頭動脈を分岐します。

そして下顎枝の後ろを上行し、下顎頚の高さで顎動脈浅側頭動脈の2終枝に分かれて終わります。

上甲状腺動脈は舌骨大角のすぐ下から出て、甲状腺の上部に分布します。

外頚動脈の枝の中でも、上甲状腺動脈はよく出題されます。
下甲状腺動脈が鎖骨下動脈 - 甲状頚動脈の枝ということと区別して、しっかり覚えてください。

甲状腺にかぎらず、頚の上部は外頚動脈、頚の下部は鎖骨下動脈が分布することを抑えておくといいでしょう。総頚動脈分岐部は甲状軟骨上縁の高さなので、 「のど仏」 の上から外頚動脈が始まることをわかると、イメージできます。

上行咽頭動脈は外頚動脈初部の内側からでます。内側なのでこの図では見えません。

舌動脈は上甲状腺動脈のやや上で分岐し、舌骨の上、舌骨舌筋の内側をとおって舌に分布します。

顔面動脈は舌動脈のやや上で分岐します。茎突舌骨筋および顎二腹筋後腹の内側より、顎下腺に至ります。そして、咬筋付着部の前で下顎骨の下縁をまがって顔面部に出て、口角の外側より内眼角へと走行します。

▶ 頭頚部の動脈(最深層)

循環器系-29-頭頚部の動脈-最深層-SQ暗記用

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