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『世界初の左右非対称性のゲル素材』まとめ

とてもワクワクする記事があった!

サイエンス誌:https://www.science.org/doi/10.1126/science.adf1206


理化学研究所(理研)は2023年4月14日、外部から加えられた力の左右方向を見分け、一方向にのみ変形するゲル材料を開発したと発表した。「エントロピー増大」に逆らう能力を持つ材料で、物質の分離やエネルギーの回収、生物の行動の制御など幅広い分野での活用が期待できる。

力学極性ゲルに水平の振動を与えると、左右非対称に振動し、ゲルの上に置いた水滴は必ず右方向に移動するほか、円柱を押し当てると押し当てられた部分のひずみも左右非対称となる。また、上から鉄球などを落とすと必ず右方向に弾み、20匹の線虫をゲルの上に置く実験では、すべての線虫が右方向に移動し、最後は右端に達した。

なんだこれ??となりつつも、
文面から感じる力強さ、相当ポテンシャルがありそうな感じがしました、、、


どう言う原理なのか、そもそもなにが起こっているのか

  • これは力に非対称的に応答する性質(極性)を持つ世界初の材料である

  • ほとんど水でできた基礎に斜めにナノシートを差し込んで作られている


どういった応用先があるのか?

水を不揮発性の流体にすれば外部での長期利用も可能になる。
可能性として

  • 高機能スポーツ素材(靴の裏など)

  • iPS細胞複製時に成長度による振り分けをし、大量生産可能に

  • 振動エネルギーを回転エネルギー等に変換できる。従来無駄になっていたエネルギーを有効活用することで発電率の向上に(モーターの振動の再利用等)

  • 他にも、

  • フィルム間隔+振動の周波数を調整すれば、微粒子の仕訳に使えそう

  • 地震をエネルギーとして取り出せそう

  • 道路や公共施設、人通りのある場所での発電

  • 細胞サイズのものを選択的に動かすことができるように

  • 水中に入れると水流も生める?

  • 人工血管、心臓の弁として

  • 飛行機の前進翼として

  • 戦闘車両の装甲、弾をはじくゲルになる

などのアイデアが。


感じたこと

ナノテクノロジー界に新しい応答をする素子が生まれたことの効果は、それを調べること自体一大研究分野になりそうですね。非対称ゲル専門スタートアップも出てきそう。

筆者的に非生物であってさらにエントロピーを減少させているように見える効能は、
アートだなあと感じます。それに対する人間の応答、それが気になる。
人工生命という言葉も文脈が違えどあるので割と深掘りがいがあるテーマになっているかなという所感でした。

それでは!

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