忘れてと覚えていて
ある人が、忘れてと覚えていての…で始まる短歌を読んでいた。
私は、覚えていてほしいと思う。
覚えていてとは言えどもランドセルの鈴の音に誘われる小学校の硬い椅子のような優しい記憶では無くて、扉に指を挟んだ後のような刹那に鋭く、鈍い痛みとして覚えていて欲しい。
この気持ちは他者に対する暗い悪意からでは無くて 寧ろ私の、皮膚という境界線で隔てられた愛しい人たちへのラブレターのようなもの。
だと、私は思っているのだけれども 正直覚えていて欲しいだなんてなんて傲慢だとも思うの。私の事なんか
きっと私はどの人にとっても歩道ですれ違った程度の個体にしかなり得ない。
覚えていてくれる事だけで嬉しい。涙が出てきそうな程嬉しい。何処かでふと思い出してくれますか。多く関わった中の、もう思い出す事のできないうちの一人として私を捨て置いて行かないで(置いて行かないで)…………なんて傲慢な!恥を知りなさい!
恥はかいてなんぼ?って言われたから恥ずかしい事はここでなるべく吐き出してしまいましょうか
今日は悪夢を見ずに寝る事ができるといいな。お願いします。