世界一周、47都道府県網羅の旅人。いざ寅次郎の旅先へ
依頼者からコンシェルジュへの希望
依頼者プロフィール
ゆる健さん 整体師 50代男性 寅さん鑑賞経験あり(全作鑑賞済み)
『男はつらいよ』シリーズは大好きで、ロケ地に旅行に行き、そこから自宅宛てに絵葉書を出すのが私のこだわりです。映画館で公開していた当時から鑑賞しており、今でもテレビ放送で観ては、感想や記録をつけるのが日課です。
私は旅が好きで47都道府県を網羅し、世界一周も経験しました。寅さんと似たような生活で、まさに「行き当たりばっちり」です。コンシェルジュへの希望は、「魅力的なロケ地が観たい」です。第8,32作のロケ地である岡山県備中高梁は、亡くなった叔母の家とお墓もあり、何度も訪れていて、気に入っている場所です。新たに魅力的なロケ地の作品を見つけて、その土地を旅してみたいです。
聖地巡礼を先に済ませて鑑賞する
ゆる健さんは、世界も含めとにかく旅をされておられました。それでも行ったことのない場所はたくさんあり、魅力的な土地との出会いをまだまだ求めていらっしゃいました。『男はつらいよ』のロケ地もいくつか行かれたようですが、まだ行かれていない所で、味のある地方が出てくる作品を選びました。とにかく旅がお好きのようで、ロケ地に旅に行ってから映画を鑑賞されるのもありだと、新しい順番をひらめいておられました。
旅好きに捧げる名ロケ地
※以下、作品の内容を記述します。
① 第17作 「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」
公開:1976年
マドンナ:太地喜和子
ロケ地:兵庫県龍野市
あらすじ: 一文無しで飲み屋にいた小汚いおじさん(宇野重吉)を寅次郎は、親切に家に泊めてやります。実はそのおじさんは画家で、その場で描いた絵を「売ってきてくれ」と寅次郎に頼みこみます。老画家の絵は売れるのでしょうか・・・。
古き良き町、播州たつのでは、寅さんと芸者ぼたん(太地喜和子)が「所帯を持とう」と言い交わします。たつのでは、老画家の昔の恋人(岡田嘉子)も登場しますが、二人は昔の気持ちを清算できるのでしょうか。
この作品に登場する名ロケ地は、兵庫県龍野市です。三木露風の故郷であり、「夕焼け小焼け」の歌はこの地での露風の思い出から生まれました。古民家のすきまに走る小道や小川が、住人に温度を加えてくれます。ゆる健さんがとても気になっておられた土地、播州龍野。ぜひ、旅をしてください。
② 第28作 「男はつらいよ 寅次郎紙風船」
公開:1981年
マドンナ:音無美紀子
ロケ地:福岡県秋月
あらすじ: 寅次郎は、病気で伏せている商売仲間から「俺が死んだら妻を頼む」と言われます。帰り際、病人の妻・光枝(音無美紀子)から「主人はもう長くない」と打ち明けられ…。美人の光枝と寅次郎の関係は進展するのでしょうか。一方、寅次郎の旅についてくる愛子(岸本加世子)は、家出したじゃじゃ馬娘で…。
この作品に登場する名ロケ地は、福岡県朝倉市秋月です。秋の紅葉が印象的な町で、レトロな学校も劇中で見られます。寅次郎と光枝が別れるシーンでは、舗装されていない細い小道と、その先にある橋から哀愁漂います。秋月が映るシーンは長くはないですが、光枝の心情を最も表している情景描写でしょう。
③ 第38作 「男はつらいよ 知床慕情」
公開:1987年
マドンナ:竹下景子
ロケ地:北海道知床
あらすじ: 知床を旅していた寅次郎は、変わり者の獣医師である順吉(三船敏郎)と知り合い、順吉の友人である町の人々とも意気投合。順吉の家に居候します。そこへ順吉の娘・りん子(竹下景子)が離婚し、東京から帰郷。寅次郎はりん子に恋心を抱きます。一方、妻を十年前に亡くしている順吉は身の周りの世話をしてくれている悦子(淡路恵子)を密かに想っているようですが、無骨な順吉と姉御肌の悦子は、お互いに強がって本音を言えずにいます。この恋の行方は・・・。
この作品に登場する名ロケ地は、北海道知床半島です。豊かな草木と海、緑と青のコントラストがまぶしい地です。劇中では、不器用な中年の恋も、大自然が爽やかに彩ってくれます。この地に降り立ち、「知床旅情」を歌いたいものです。
コンシェルジュを終えて
ゆる健さんは、寅次郎と同じ旅人です。これまでも様々な国や地域に行かれていて、地域に関するお目が高いです。『男はつらいよ』のロケ地を旅してから、作品を観るという順序は、斬新でおもしろいですね。それでは、旅にいってらっしゃいませ。
ゆる健さん、ありがとうございました。