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星新一賞について思うこと「星作品って理系小説なの?」

日経新聞朝刊を読んでいたら、「星新一賞」の作品募集広告が掲載されていた。

過去の受賞作は、hontoで読めるということで色々と読んでみたのだが、全体的に「星新一ってこんなんだったっけ?」という印象だった。
というのも、星作品に対する印象は、ハードSFじゃなくて、ドラえもんくらいの「ちょっと不思議なものがたり」という感じだったから。

だいたい星新一の作品を「サイエンス・フィクション」に含めるべきなのかすら疑問である。星氏は近未来的設定で、シニカルかつ捻りあるオチがつくショートショートが得意だと思うが、別に作品内設定に対する科学的説明は明示されて無いんじゃ?と思う。根拠が説明されないことを「サイエンス」と言っていいのか、私にはよく分からない。これは星作品以外に限らず、SF作品として分類されている多く小説にもしばしば感じることだ。

まあそういう意見を踏まえてハードSFとソフトSFという区分があるんだと思われるが、星新一賞の一般部門受賞作品はほぼハードSF寄りの作風だし、星氏の名前を掲げるよりも、「ジェイムズ・P・ホーガン賞」とかにした方が適切なのではないかと思う。(かといって受賞作はホーガンほどガチガチでもないから、このタイトルも合わないけど。いい例が思いつかなくてすみません)


ところでジュニア部門の受賞作品はジュニアなだけあって(と言うと失礼で申し訳ないのですが)ハード要素が薄く、そこに「星新一」感が出ているなと思う。設定や説明に凝らずとも、発想力と文章力で楽しく読ませてくれる、作家さんたちの技量には脱帽だ。
今後も「星新一賞」という冠を掲げて作品募集を続けるなら、一般部門受賞作にソフトSFもたくさん出てくるといいな。



*本文章は市井の人間による、ひとつの感想です。誰かを批判・貶める意図は全くありません。

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