『崩壊学: 人類が直面している脅威の実態』1
「一般的に言って、HANDYモデルが示しているのは、階級差の激しい社会は文明の崩壊を逃れにくいということだ。これを避ける唯一の方法は、階級間の経済格差を減らし、人口が危機的レベルを超えないような措置を実施することだろう。
2011年から2012年にヨーロッパを講演に訪れたデニス・メドウズは、かつてなく悲劇的で、繰り返しこう述べていた。持続可能な開発を目指すにはもう遅すぎる。今後は衝撃に備え、早急にレジリエンス、小規模のシステムを構築しなければならない。
人間の共同体には、それ自体に素晴らしい自己治癒力が、備わっている。平常時には見えない、社会を団結させるこのメカニズムには、衝撃を受けた後の共同体を再生させ、新しい環境で生き抜くために社会を再構築するほどの力がある。本当の問題は、現行の緊急対策が、常に物理的な構造(建物、機関等)の保全に努力を集中させていることだ。科学者が理解し始めているのは、建物より、経済や社会ネットワークの方によりレジリエンスがある。建物は崩壊するが、人材は残ると言うことだ。したがって大惨事に備えるとは、まず自分の周りで人間関係を築くことを意味するのである。」
パブロ・セルヴィーニョ、ラフェエル・スティーヴンス『崩壊学: 人類が直面している脅威の実態』
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