G.I.グルジェフ『注目すべき人々との出会い」

あの出会い以来、私の内的、外的世界の全体が一変してしまった。

それまで、私の全存在は利己主義に取り憑かれていたと言っていいだろう。

ところが、ジョヴァンニ神父との出会いが、それをことごとく抹殺してしまったのだ。

私の中で次第に、揺るぎない確信で全身全霊を満たすあの<何か>が湧き上がってきた。

人生の虚栄以外に、多少なりともものを考える人間ならば誰でも目標にし理想としているに違いない、<何か別のもの>が存在するという確信。そして、通常の人生では、いつ何ごとにつけてもそれでいっぱいになっている架空の<所有物>ではなく、人間を真に幸福にし、人間に本物の価値を賦与してくれるのは、この<何か別のもの>にほかならないという確信だ。


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