ハミルトン・フィッシュ『ルーズベルトの開戦責任』
第二次世界大戦、そして日米戦争を、ルーズベルト大統領がどのように仕掛けたかを告発した元共和党大物下院議員ハミルトン・フィッシュの『ルーズベルトの開戦責任』(原書1976年刊)によると、
ヒトラーは当初、英独の協力が世界平和のキーになると英国に伝え、ドイツは陸軍力を30万に制限し、海軍力は対英1/3にするという提案をしていたが、ベルサイユ条約によってドイツが失ったポーランドのダンツィヒ割譲(返還)要求を、英国が拒否したことで、初めて敵意を持ったようだ。
ドイツのダンツィヒ割譲要求に対して、ポーランドが拒否した背景には、英仏の影響があったが、さらにその背後には、戦争を起こしたがっていたルーズベルト米大統領がいた。元々、英仏は、ダンツィヒをドイツに渡せば、ドイツはソ連との戦争に向かい、ヨーロッパの平和は保たれるだろうと考えていたが、それを強引にドイツとの対決姿勢へと向けたのは、ルーズベルト大統領の武器供与と支援の約束であった。
アメリカが直接攻撃されない限り他国の戦争には参加しないと公約し、4期目の大統領になりながら、その裏で着々とドイツ、日本との戦争準備を進め、米国民には日本へ最後通牒であるハルノートを突きつけたことを隠し、真珠湾攻撃を誘発し、まんまと開戦にこぎつけた。
ルーズベルトは、参戦することで、ニューディール政策の失敗を誤魔化し、さらには、国際金融資本、軍産複合体、国際主義者(現在でいうグローバリストに近い?)などを背景に、米英とスターリンのソ連とで世界を統治することを目論んでいたとハミルトンは語る。
現在のウクライナ戦争、ロシア、アメリカ、NATOと何か重なるような気がするのは、僕だけだろうか。
「憲法が定めた議会の開戦権限は、最近の大統領によっても蔑ろにされることが多くなっている。議会はこの危険を再確認し、もう一度議会だけが戦争するかしないかの決定権を持っていることを明確にしなくてはならない。 将来の大統領にもそれを知らしめなくてはならない。具体的に言えば、大統領が自らの裁量だけである国を侵略国家であると決めつけたり、戦争地域を画定したりでき いようにしなくてはならない。ルーズベルトがやった、戦争状態にある国に武器を供与したりする行為 、潜水艦を見つけ次第攻撃せよと命令する行為の再発を防がなければならない。わが国が世界の警察官であるかのように勝手に振る舞ったり、緊急事態を宣言したりすることは許されない。上下院 外交問題委員会に諮問されなければならない。大統領には議会の承諾がなければいかなる戦争行 もできないのである。
一個人(大統領)に戦争か和平かを決定させることを許すことは、わが国の伝統に馴染まない。 民主主義の精神、合衆国憲法の精神、リンカーンの唱えた「国民(人民)の国民による国民のため の政治の精神」に違背することになってしまう。 要するに軍事独裁政治と同じものになってしまう かつて建国の父たちは、国王に神権が授けられ、国王が何でも好き勝手ができるという考えを拒否した。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?