令和3年度中小企業診断士試験 敗軍の将、兵を語る 其の一
令和3年度の中小企業診断士試験の挑戦が終わりました。
既に令和4年度に向けて自分も含めた2次不合格だった受験生は、大方が今年の試験に向けて動き出していると思います。
ここでは、今年度は去年の失敗を繰り返さない為に、また自分への戒めの為にも、
「何が良く、何が悪かったのか?」
自分なりに後で振り返って検証できるように記録を残して行きたいと思います。
1次試験突破
まず、今年の私の成果は1次試験を突破出来たこと。
一昨年は、企業経営理論、経済学・経済政策、経営情報システムの3科目は科目合格しており、昨年は残りの4科目に挑みました。
「1次試験の突破無くして、2次試験は無い」
当たり前の事です。ですので私は1次試験の残り4科目にほぼ全力投球をしました。
ここに一つ戦略ミスがあったと思ってます。今から思うともう少し上手な時間の使い方があったんだと思います。
7科目420点取れれば1次試験は合格です。420点でも700点でも合格に変わりはありません。むしろ、420点ギリギリで1次試験を突破する位の力配分で残りを2次試験に振り分ける方が戦略的であり効率的なやり方です。
この考え方は当時の自分には正直あったのですが、チキンの私にはこの戦略を採る事はありませんでした。
「1次試験の突破無くして、2次試験は無い」
この考え方に基づけば、1次試験前に2次試験対策に手を出すことはリスクを負う事にもなります。
本当にあの頃に戻って自分にこの考え方のメリット、デメリットを伝えてやって再考を促したい気持ちで一杯です。
得点開示請求が戻って来ていないので確たる点数は分かりませんが、420点ギリギリの合格では無いと思います。しかも昨年は4科目。今から思えばもっと早く2次対策を始められていたのでは?と思います。
まあ、これは結果論です。
ただ、もう少しリスクを取る勇気があったなら、とは思いますね。
結果、2次試験対策に本格的に着手したのは1次試験後の8月末からでした。
2次試験対策開始
私は1次試験終了まで2次試験対策はほとんど手をつけておりませんでした。
先にも述べたように、これが1番の戦略ミスだったと思います。
そんな中で、自画自賛ですが、2次でBABB -Bまで行けたのは本当に意外でした。
2次試験対策は2次試験対策専門のとある予備校に通信でお世話になる事にしました。
結果は不合格でしたが本当にこの予備校には感謝してます。
御作法も知らない素人を8月末から2ヶ月半である程度戦えるまで引き上げて貰いました。
予備校の良い悪いの前に、戦略ミスからの2次対策スタートの遅れで、ただ、ただ、時間が無かったと言うのが不合格の一番の要因だと思います。
ただし、似たような状況下で合格される方、しかも独学で突破される方もいますんで本当に頭が下がります。
私は地頭の悪さは自覚してますのでここまでの結果が精一杯でした。
試行錯誤の日々
2次対策をスタートしてから一番困ったのは「何をやって良いのかわからない」と言う事でした。
共感して貰える人は結構いるのでは無いでしょうか?
2次試験対策の情報は正直言って溢れています。
SNS、ブログ、予備校の情報等様々です。
今から思えば、溢れてはいるがある程度カテゴリーに分けられる気がしますが、当時の素人だった私はそんな事もわからず、単純に「みんなバラバラなこと言ってるな」と言う感想でしたありませんでした。
そして、それらの情報に踊らされていました。
「事例を解く際には設問解釈が大切」、「いや、設問解釈には時間を取らず与件に行くべき」、「与件は5色の蛍光マーカーで分類しろ」、「いや、3色で十分」「いや、蛍光マーカーは不要」等々、そして最後には「早く自分の型を作れ」
今から思えば全部正解で必要な事です。
ただし、ある一定のレベルに達していたならば。
私は一定のレベルに達していなかったし、そんな事に気付きもしなかった。
上部の情報に踊らされてしまい、2次試験の本質は何かという事を追求しようとはしなかった。
もし、この時、追求していても不合格の結果は変わっていなかったと思います。
追求していたら勉強方法は変わっていたと思いますが、結果を出すまでの時間はやはり無かったでしょう。
この時はまだ2次試験は1次試験の延長線上にあると思ってました。
当時はそう思う事で2次試験に通用するレベルに居るという事にしたかったんだと思います。
ある一定のレベルとは?
2次試験を1度でも受けられた方は、私が2次試験の事例に対応するのに必要なベースは色々な「理論」だと思う事に理解を頂けると思います。(もちろん、色んな意見があると思います)
この理論を身に付けづに事例に取り組んでも、正直、マスは埋められると思いますが設問者の意図を汲んだ解答は書けないと思います。
この事に当時気付けていなかった私は、事例の過去問に取り組んで予備校の模範解答を見ても腑に落ちない事ばかりでした。当たり前の事です。
結果、私は事例IからIVの過去問に取り組み、事例IVは30日完成や全知能&全ノウハウ等のテキストを回しますが、採点はほぼ60点を超える事なく試験本番に近づいて行く事になります。
2次試験直前期
この頃の私は、予備校の採点でも60点を超える事もほぼ無い状態が続いており、焦りと苛立ちから混乱をしていました。
当然の事ながら2次試験に対する自信も失って全く合格する気がせず、戦わずして2次試験は2度目で通るものと腹を括ってました。(結果、その通りになったのですが)
ご存じの通り、2次試験には模範解答が発表されません。
ですので、予備校の模範解答を示されて自分の解答と異なって腑に落ちない事が重なると、「自分の解答も正答の可能性があるかも」といった誤った期待を持つようになってしまいました。
それほど、見事に予備校の解答とは合わず、しかも解説見ても腹落ちせず、と言った状態でした。
振り返ると当然の事です。
だって理論の勉強を意識してせずに1次試験の知識だけで立ち向かっても、「理論」に基づいた思考プロセスで解答を出している予備校の解答と相入れる事はないでしょうし、説明されても腑に落ちる訳はありません。
加えて私がお世話になっていた予備校の採点基準は他に比べて高かったと思います。
結果、自分の解答のトンチンカンぶり、伸びない点数、迫る試験日で私はますます混乱していきました。
ふぞろいな合格答案との出会い
ところで、「ふぞろいな合格答案シリーズ」は2次試験を受験する受験生にとってはバイブルのようなテキストです。私も御多分に漏れず利用させて貰いました。
ただ、メインは予備校の教材を使用していたので使用頻度は低かったです。
このテキストに対する意見は色々とありますが、私はこのテキストに少し救われたと思ってます。
救われた、と言うのはこのテキストは解答に理論的な部分をあまり求めずにキーワードを重視する採点方法を採っていると言う点です。
「理論」を会得してなかった自分にとっては、キーワード重視の採点の方がまだ腑に落ちる部分も多く点数が伸びます。
また、客観性のあるデータに基づかれて採点されているので説得力もあり納得感も得ることが出来ました。
「ふぞろいな合格答案」を利用する事で、当時の私は事例問題を国語の問題に近づけた理解にしようとしてました。(国語は学生の頃から得意な方だったので)
この理解の方法が正しいかどうかはわかりませんが、このやり方で少し楽に答案を書けるようになったのを覚えてます。
無論、理論の方の勉強はしてなかったので予備校の採点は相変わらず60点には届いてませんでしたが、ふぞろい的な採点では少し点数が取れるようになってきました。
お陰で、「2次試験は自分にもワンチャンくらいはあるかも?」と言う位の精神状態では試験当日を迎える事が出来ました。
其の一はここまでにさせて頂きます。
其の二では2次試験当日の心境と不合格決定後の心境の変化などを書きたいと思います。
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