ありのまま
薄緑色の浴槽に、乳白色の入浴剤を入れた時のこと。
私はその湯の色を、当然の様に『白』になると認識して入浴剤を投入。
その横で、面前で透明から『白』に徐々に変わりゆく湯の色を見て、息子から出たのは「わあ!『青』になった!」という言葉。
おや?と思ってもう一度湯の色をみると、浴槽の色と白の粉の色で、確かにそれは『青』だった。
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中学の美術の時間、『影にもちゃんと色がある』と先生が言っていたのを思い出した。
影は影としてその時々で色を変えて私たちの目に映っている。
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目の前にある事実と、一般的にこうだと表現されている物、物を認識する際に後者に自分を寄せる様に私はいつ変わってしまったのだろうか。
子供の頃に持っていた、『ありのまま』を受け入れる感性を、誤魔化し誤魔化し押し殺して削ぎ落として、いつの間にか私はつまらない人間になっていた。
#子どもに教えられたこと