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ミキサーは 戦い...
「️ミキサー(レコーディング エンジニア)の仕事は現場での Dやプロデューサ アレンジャー ミュージシャン 達との 戦いでもある」 とは...東芝の行方さん(行方洋一氏)が 嘗て云われたこと
プロの録音現場で仕事していれば 正に実感することは あるわけで 細かい せめぎ合いや 行方さんの言う所の 戦いが 生じることも ある
思い出すと…As土岐さん(土岐英史)のレコーディング セッションの時 彼とは初めてだったが 私がコントロール ルームからスタジオ側へ入ると やっと 自分のイスに座った 土岐氏「マイク セッティングしてよ...」 私「構えてくれたら するよ...」
で マイキングをしたのだが(全ての楽器録りの 基本マイク セッティングは あるのだが 予めするのは大体のセッティングに なり ミュージシャンが 音出し してから Saxひとつにしても それぞれ 体格差や演奏姿勢によって かなり変わってくるし リハ中・本番のブレイク中に 微妙に 変えたりもする)マイキングに合わせてくれる人もいるけどね..
これは 別に場が 険悪になる事ではなく 双方の姿勢の在り方であり このセッションも 良いテイクが 録れたのを記憶している
も1つ ついでに Dr トコさん(故 日野元彦氏)のレコーディング セッションでのこと...これも随分前の(20代後半)Bass 井野さん(井野信義)pf 辛島さん(辛島文雄)...アシスタント エンジニアが 各セッティングを終え 私がミキサー席に座り サウンド チェックをし リハが始まった...
エンジニアなら そのスタジオの箱鳴り コントロールルーム モニタ等に馴染んでないと 中々しっくり入って来ないのと同様に ミュージシャンも スタジオ(演奏する側の箱)と ヘッドフォン モニタに 馴染む迄 時間を必要とする時があり トコさんのドラミングが バタバタだった...そこで リハ ブレイクの時 私...「まだ馴染んでないので ドラミングをコントロールしながら演ってみてください」
元彦氏「あのね ミュージシャンが どんな演奏しようと それを どうにかするのが プロのミキサーじゃないの...」
で、私は無言のまま
コンソールのモニタVolをdimmer(-26dB落ちる)にし フェーダは そのままで ロビーに出て 一服 (鳴くまで待とうホトトギス) 15分程経ったら 明るい顔でトコさんが やって来て 「大分馴染んだよ...」と コントロール ルームに戻り 卓の前に座ると 演奏バランスが 見違える様に 良くなっていた...それから 8曲程 良いテイクが 録れた 勿論 この経過も トコさん含め 他のミュージシャンやプロデューサと関係性が 悪くなったのではなく むしろ その逆なのである。
そうそう...あとから トコさんの 奥さん(容子さん、六本木 alfie のオーナー)が 差し入れに来て かなり豪華な 弁当を 皆で頂いた
土岐さんのセッションは '76製 APIコンソール〜マルチトラック録音AMPEX MM1200-24~MIX / STUDER A 810
元彦さんの時は AMPEX AG 440B 2トラでの 1発録音であった。
私が 関わった全ての レコーディング セッションの あれこれは 良い思い出であり
一期一会の制作現場に 居れたことに 感謝している。