好きな音楽をいい音で聴く“スーパースワン”
みなさんは、“スーパースワン”というスピーカーをご存知でしょうか?
昔、多くのオーディオファンやマニアから親しまれ尊敬されていたオーディオ評論家の長岡 鉄男さんが考案した画期的な自作スピーカーです。
孤高のオーディオ評論家
以前は数多くいらっしゃったオーディオ評論家の中で、若者やスピーカー自作ファンに絶大な人気を博していたのが、長岡 鉄男さんでした。多くの人々が長岡さんの言うことを信じ、参考ではなく丸々コピーして自分のオーディオシステムを組んでいました。カリスマであり、ファンは信者のような振る舞いをしていたので長岡さんの教えは、「長岡教」とも呼ばれていました。絶大な人気ゆえ、メーカーも長岡さんの考えに忠実な仕様のオーディオ機器を次々に登場させました。人気があるので、機器が飛ぶように売れるからです。
私もファンの中の一人でしたが、一番好きだったのは長岡さんの文章でした。単純明快・単刀直入な表現、メーカーや雑誌社に忖度しない姿勢がとても好きでした。
スーパースワンの誕生
長岡さんはのスピーカー工作は、奇想天外とも言える発想と、低予算で誰もが作れそうなスピーカーを提案するものでした。中でも「スーパースワン」と名付けられたバックロードホーン型スピーカーには、仰天しました。形もそうですが、良いと考えたアイデアを実現するその能力に驚いたものです。私もホームセンターでベニア板を裁断してもらい、少々複雑な構造のスピーカーを汗だくになって作りました。決して出来栄えの良いものではありませんでしたが、長く私のメインスピーカーとなりました。
美しい“スワン”との出会い
どこで知ったのかは全く覚えていませんが、maple工房という所で製作されたべらぼうに美しいスーパースワンを見つけました。
maple工房のホームページを見つけると、高密度のロシアンパーチ材を主に使用し、他にもブビンガ材をはじめ、シトカ・スプルース、カリン、メープル、チェリー、欅など高価な無垢の木材も使用しているとのこと。
早速電話で交渉し、日数はかかるけれど作成してもらえることになりました。それが写真のスピーカーです。
(残念ながら、今現在は、Webで検索してもmaple工房は見つかりません)
YouTubeに8年以上も前ですが、maple工房さんの動画を見つけましたので、下に添付します。製作過程がスライド形式で説明されています。非常に丁寧な手作業の様子がよくわかります。
ユニットの交換
当初、maple工房製スーパースワンには、Fostex社の定番ユニットFE108EΣが装着されていました。それほど高価なユニットではありませんが、雄大なスケールながら高音も伸びた素晴らしい音がしていました。しばらくそのままで聴いていましたが、FostexからFE108-Solという限定ユニットが販売され、評判も良かったのでSolに交換して現在に至っています。評判通り高域がグ〜ンと伸びて、さらに満足いく音になりました。
メイン・サブスピーカー
バックロードホーンを聴いた方ならわかると思いますが、小さな口径に加えて主にフルレンジユニットを使っているため、高音は、スーパーツィーターの追加で補完できますが、低音再生には限界があります。また、ソフトによっては少しボンついた音になります。そこは、十分に理解しているので、現在は、音工房Zの2Wayバスレフとメイン・サブを入れ替えながら音楽を楽しく聴いています。(BUN)