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本の紹介|What is Tanuki?

こんにちは、あなくまです。
前回の初めての投稿を読んでくださった方々、ありがとうございました。
やみくもに投げたボールを誰かが受け取ってくれたようで、自分でも思ったよりうれしくて、にんまりしています。
今日もどなたかの休憩時間のお供になれば幸いです。


【What is Tanuki?(佐伯 緑、東京大学出版会)】を読みました

今日はタヌキの本をご紹介します。
2022年の出版ですが、我が家でしばらく積読していたものを、先週読みました。

内容はもう、タヌキ一色。
タイトルのとおり、タヌキとはどのような生きものか、どのように進化してきたかという生物学的な話から、昔話に出てくる神様や妖怪としてのタヌキまで。タヌキの古今東西(と分かっていないこと)が分かる内容となっています。
そして、現代社会でタヌキと人との間で起きている様々な問題と共存のあり方についても、筆者の葛藤や苦悩とともに綴られています。
最近はおびひろ動物園のポスト(ツイート)などでそのかわいさに注目が集まっていますが、現代を生きる野生動物の厳しい現実にも目をそらさずにいたいと思いました。

そしてこの本の一番の魅力は、筆者のタヌキ愛。
文章や直筆のイラストの端々からビシバシと伝わってきます。
自然や生きものの研究者やフィールドワーカーの本は数多くありますが、サイエンスに徹した「学術書・専門書」か、おもしろエピソードを集めた「エッセイ・体験記」のどちらかに分かれる印象があります。
そんな中で、今回の「What is Tanuki?」は研究者としてのクールでプロフェッショナルな目線と、熱烈なタヌキファンのあふれる情熱とがバランスよく共存している、稀有な読み物だと思いました。

論文や研究事例なども豊富に紹介されている専門書ではありますが、学術用語や専門的な内容も分かりやすく説明されており、「出典・引用文献」を除く本文は約140ページとコンパクトです。
タヌキはもちろんのこと生きものが好きな方に、ぜひおすすめしたい一冊です。


今年も残すところあとわずか、私もよい1年の締めくくりに向けてラストスパートしたいと思います。
そして、仕事納めにはおいしいビールで乾杯しましょう!

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