連休明けの朝、財布を落とした

朝、たしかに財布をかばんの中にいれたと思ったのに、駅について取り出そうと思ったら見当たらない。ぶわっと焦りが下から込み上がってくる。

「財布、落とした。」

勤務先へ向かう朝、メガモンスター討伐に気を取られている場合ではなかったが、よくよく調べて見ると財布を入れているかばんの一番うしろポケットが左右両方とも空いているではないか…。

すぐ家から駅までの道を歩いて戻る。
下を見ながらきょろきょろと、ゆっくり歩く怪しいおっさんの出来上がりだ。
もしかしたら部屋にあるかもしれないという淡い期待を胸に、一旦冷静になろうと部屋まで帰る。いや、無いのよ。だってさっき鞄の中に入れた記憶だけはあるんだから。

念の為もう一回、朝歩いた範囲を往復してみるがやっぱり見つからない。うだうだやってないで諦めて次の段階、そう交番に行こう。

土地勘がまだないので、Googlemapで交番を調べると思いの外近くにある。交番で遺失物届けを書き終えると、速攻財布は見つかる。

「さすが治安大国、日本やで。」

ただあまりにも早く届けられすぎて、非番になった前の担当が最寄り警察署に持っていってしまったということだ。いや、うだうだしてないで日本を信じてさっさと交番に行ってれば、もっと早く見つかったのに!

その遺失物届けを書いている時に、何も考えず日付欄に平成31年と書いてしまった。
あとで警察署で受け取るための引き換え証(ただの紙)をもらい、よくよく見てみると平成が取り消し線で消され、令和元年となっていた。
「あ、令和だったわ。」

そう気づけた、今日この頃。結局会社に3時間遅刻した。

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