#01 THE GUILD勉強会 〜ユーザーインタビュー設計〜 に参加してきました。
いままでこういった勉強会は参加したことなかったのですが、一度参加してみると、すっとハードルが低くなってさくっと応募している自分に気づきました。
こういった勉強会はすごくオープンで、参加できない人も議事録のように皆様のnoteやブログで情報を得ることはできるのですが、やはり現場にいると参加意識が違いますし、このようにアウトプットしてみようという気にもなります。
今回は、応募するちょっと前にユーザーインタビューの実践を初めて行い、ちょうどインタビュー知りたい熱が高まっているタイミングでの開催に意気揚々と応募してみたものの、50人参加で500人近く応募があるという人気っぷりのセミナーで、(普段こういった抽選ものは当たった試しがないので)二次応募になんとか滑り込めるというミラクルが起き、わくわく気分でかのDMMさんにお邪魔してきました。
初めて実施したインタビューの体験談もちょこちょこ交えながら、発表された中で特に印象に残った、弁護士ドットコム金子さんの「ユーザー中心組織論」の一部を紹介していきたいと思います。
大事なのは共感
わたしは30〜40代をターゲットとしたファッションECのUXに関わっています。主に扱っているのが、女性ブランドなのでインタビューするのは同年代ぐらいの女性だったのですが「うんうん、そうですよね。」といってみても話を聞いてるだけ、答えを引き出しているだけで実際に「共感」ができていたんだろうか?と、振り返るきっかけになりました。
特にこの共感とはどういうものか。を意識しながらインタビュー設計を考えてるだけでもユーザーとの対話が変わるんじゃないかな。
自分がインタビューしていない人は、動画を見ながらまとめ作業をしていたりするのですが、改善のヒントになりそうな足掛けにどうしても気持ちが引っ張られてしまうんですよね。その中でもユーザーの感情(不安、イラつき)に注目して抜出したりしていたのですが、そもそもなんのためにやってるのか自分でも理解できてませんでした、そう、共感でしたね。
今回やったインタビューは改善して結果を出そうというところに目的が行っていたため、導入プロセスとしての最初のインタビューでは特に「ユーザーを知る」ことが大事だと感じました。知るという流れを無視してしまうと、ユーザーのなぜそれを思ったのか?という「価値観」のところまで掘り下げるのはなかなか難しいなと。
インタビューを実践した後、感じたのはユーザーを顔が見える実在の人して認識できたことで「それって、◯◯さんはこう考えてますよ。」という文脈で説明するようになっている自分に気づきました。
インタビューを体験することで、その目線が少しでも獲得できるなら、やってみる価値ありだなと強く実感した瞬間だったのですが、説明するなかでこれを自分ひとりの価値感として持っていても意味が無いということも同時に感じされられました。
ユーザーインタビュー行っても、コストをかけている以上改善して、利益を上げることが求められるのですが、横から参戦している自分としては、一旦そこはおいておいて、裏テーマとしてこんなことを考えてはいました。
・ユーザーを、顔の見える◯◯さんと認識する。
・インタビューを他のチームにもやってもらう足がかりにする
この勉強会に参加して刺激を受けた後は、ユーザーインタビューを行うことで、組織の感覚をユーザー中心にするという大義名分を拡げていくのが自分の使命とでもいうような想いを抱いたのですが、それを実際に組織に拡げていくにはどうしたらいいんでしょう。
5つのポイント
プロダクトを開発する組織に大きく関わるのは以下の5つのポイントを中心に考えると良いそうです。
・ビジョン
・ビジネスモデル
・カルチャー
・チーム
・開発プロセス
なぜやるのかはユーザーは教えてくれない。
ビジョン、ビジョンかぁ。あるんだろうか…。そう思った方のためにビジョンを見えるようにするためにいくつかオススメの手法も紹介してくれているので、簡単な説明へのリンクを張っておきます。またビジョンに「誰のため?」をプラスして考えることが重要とのこと。
(ビジョンの見える化)
インセプションデッキ
エレベータピッチ
誰のためと掘り下げて考える。
また前述した「ユーザー視点」は、当たり前だけどユーザーひとりひとりによって視点が異なります。すべての人の視点に立つことはできないので、その視点を少しでも実ユーザーに近い形にしていくために必要なのがペルソナ。
ちなみにペルソナも作っただけで、なんとなくこんな人。で終わってしまいそうな気がするんだけど、今回ユーザー情報に少し触れることができたので、アップデートして研磨していったほうがいいのだろうか?
文化を育む
非常に面白かったのがカルチャーのお話。
わからない→「じゃあ、調べよう!」という考え方を形成することが大事ということを簡単な例を元に非常にわかりやすく説明してくれました。言われると、そりゃそうだ!と思うけど実際に行動に移してる人は…?
サービス開発は不確実性との戦い。わかることより、わからないことの方が多い。
この「試す」という行為を「経験」に変えながら、開発していく意識が必要だということですね。
どうやって運動を起こすか。
これも面白かった!自分はこのTED動画知らなかったのですが、「社会運動をどうやって起こすか」という大層な題目を、ある例えを元に簡単に説明してくれるデレク・シヴァーズのプレゼンテーションです。ここから学ぶべき教訓は。
1. 勇気を持って最初に行動を起こすバカになろう
2. 最初についてきてくれたフォロワーを大切に・平等に扱う
このようななんとなくでわかっているような物事は、図解されるといままで気づかなかった本質を理解できたりしますよね。兄貴の言葉を心で理解できたッ!みたいな。ここから自分は(2)をけっこう蔑ろにしてきたかもなぁと振り返ることもできました。
今回は、他の課がやっているインタビューに同乗する形になったのですが、コンサルで入ってくれている方が旗持ちになって、インタビュー設計から当日の運用まで慣れていない私たちに替わって先導してくれたお陰で、スムーズにインタビューまでを終わることができました。それはコンサルやチームのみんなが(2)を実践してくれたからですね。
みんながインタビューに参加する
今回のユーザーインタビューは、みんなに共有できるようにまとめレポートを作成したので、全映像と全文書を見たのですが、まとめ以外にユーザーのデモグラフィックを文書でも伝わりやすくするために、各人のキャッチコピーをつけようとしてました。
ただこれの勉強会に参加して、一気に思い直すことになったのは、ただでさえ自分のバイアスを通したまとめになっているのに、そこにさらに情報を捻じ曲げて伝えてどうする!と考え直した結果です。後のディスカッションで金子さんが、「RAW(生)データにまさるものはない。」とおっしゃってましたが、経由すればするほど解像度は落ちていくことを理解すると、できるだけ多くのつくり手にインタビューに参加してもらったり、現場でもリアルタイムでも共有できるような環境を整えていくことがインタビューの真の価値を広めていくために必要だと感じました。
成長する組織を作る
行ったインタビューは、このままでは完全に単発イベントになってしまいそうなので、チームのどのプロセスにインタビューを組み込めるか、その重要性を感じさせられるか模索中なのですが、それだけでなく学びのプロセスの中にしっかり組み込まれている必要性があるそうです。
・ユーザーについて知らないことを把握する
・既知の知見を把握する
・サイクルを回転させて学びを増やす
先に上げたような試す(実験)を行うことで、知見(事実)を少しずつ増やしていき、成長をチームに促していく必要があります。「手を動かす前に、きちんとインプットを取る。」というのは耳が痛い話で、現状インプットも目的も明示されず、いきなりデザインから始まるといった形で改修が進むので、そこは頭を悩ましているところです。
プロセスをまわして、成長できるチームへ。
そして最後に、今回の勉強会で一番心に残ったこと。
ユーザーを知ることでインサイトやニーズからプロダクトの改善につなげるという表面的なところの意義を知った被っていて、ひとつの工程ぐらいに思ってたんですが、そもそも組織全体が評価をユーザー中心にするということまで広がるとはうーん、恐れ入りました。
おまけ
プレゼンテーション後の、座談会で気になった回答をピックアップしました。
報酬は一番最初に渡す。
もらえるのかわからない状態にして、おべっかを使わせるのではなく事前にお金を払うことで、なにを言っても大丈夫という心理状態にしてあげる。
今回は最後に渡す形にしたのですが、会ってから報酬についてなにも言わず最後に渡すだけというのも良くないなと思ってました。最初に渡すという選択肢も一度やってみるといいかもしれない。
ユーザーの言ってることと、行動は異なる。
必ず、インタビューで出た課題をあげるスプレッドシートにもユーザーが言ったことと行動したことは別にして記載するようにしている。
実体験がなく、なかなかどのような状態なのか理解することが難しかったのですが、「彼女ほしいー!と言ってるけど、ペアーズには登録しない」と言った例があると、あー、自分完全にそうだわと理解できました。こういった前提を持っておくと、ユーザーの言ったことを100%受け取ってしまうだけの改善をしてしまうといったことを回避できるかもしれません。
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