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アナグラム感謝祭 no.208「名or迷言 about LOVE」

アナグラムーチョ by Makoto Sakashima
(さか島まこと)です。

アナグラム感謝祭 no.208

loveに寄せた名言なのか、はたまた迷言なのか。

☆キーワードは、fool「愚か者」。

Fools rush in.
「愚か者は突入する」

 直接loveと関係はなさそうでいて、恋の実相を描くの
になかなかの好適フレーズ。ことわざです。
 「愚か者は危ない状況や場面を察知せず突入する、あ
わてて行動に走る」というわけです。よせばいいのに恋
をする、相手を選ぶべきなのにお構いなしに恋をしてし
まう、そんな人間の性(さが)にリンクするようなフレー
ズです。
 当然歌のタイトルや歌詞にも使われそうなフレーズ。
フランク・シナトラ他が歌ったスタンダード曲に、その
ままの形の、Fools Rush Inがあります。また、エルビ
ス・プレスリーの名曲、Can't Help Falling in Love with You
(邦題「好きにならずにいられない」/1962年)の
歌詞にもこのフレーズが登場します。

□Fools rush in.
◎rush in「突入・乱入する」「あわてて行動に走る」。
◎本来のフルサイズのことわざの形は~
Fools rush in where angels fear to tread.「愚か者
は、天使(=賢者)が足を踏み入れることを恐れるとこ
ろに突入する」。日本語のことわざでも、長目のものは
言わずもがなと後半が省略される傾向がありますが、こ
の場合も同じ。where以下を省略して使えます。
◎フルサイズの本来の形は、英国の詩人ポープ
(Alexander Pope/1688-1744)が記した言葉。

Why do fools fall in love?
「どうして愚か者は恋に落ちるのか?」

 前項は詩人ゆかりのことわざ系フレーズでしたが、今
度はポップス、歌のタイトル。こりずに恋に落ちてしま
う人間の性をユーモラスに表現した、ポップな名文句風
ですね。世の中、ほとんど皆が恋をしますから、誰もが
foolということになりますね。
 これはフランキー・ ライモン&ザ・ティーネージャー
ズが歌った曲のタイトル(1956年)。大歌手ダイアナ・
ロスなどもカバーしています。

Love is the wisdom of the fool
and the folly of the wise.

「恋は愚者の知恵、賢者の愚行」

 「恋は愚か者には知恵をつけ賢くするが、
その一方で賢い人にとっては愚行そのもの、
愚かなことまでさせてしまう」。
そんなニュアンスでしょう。
 このどことなくユーモラスなフレーズは、英国の
辞書編集者にして作家のジョンソン
(Samuel Johnson/1709-1784)の言葉です。
◎folly「愚行」。

He who does not love wine, woman amd song
remains a fool for the rest of his life.

「酒と女と歌を愛さない男は一生馬鹿のままだ」

 実に豪快な響きのフレーズ。男性サイドからは、
人生はそうでなくちゃとうなずきたくなる内容かも
しれませんね。
 ところが、実はこれがドイツの神学者で、宗教改革を
指導したルター(Martin Luther/1483-1546)の言葉。
その英語版ですが、意外な感じもします。
◎rest「残り」

 それでは、また次回にお会いしましょう。
 Makoto Sakashima

※Language Art

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