アナグラム感謝祭 no.202「love & love=love２連発系の名or迷文句」
アナグラムーチョ by Makoto Sakashima
（さか島まこと）です。
アナグラム感謝祭 no.202
恋愛に寄せた名文句なのか、はたまた迷文句なのか。
今回のお題、キーワードは、love & love。
loveという語の２連発系のフレーズ群です。
☆まずは肩慣らし↓
Love begets love.
「愛は愛を招く」
「他人に愛ある態度で接すると、人は同じく
愛ある態度であなたに接する」。
そんな意味合いの格言です。
シンプルなフレーズですが、心したいニュアンス。
☆前記と同じニュアンスを↓
Love is the reward of love.
「愛は愛のごほうびだ」
これまた、「他者に愛を与えれば、愛が返ってくる」
というニュアンスの格言。
☆聞き覚えのあるのは日本語訳？↓
Love me little, love me long.
「少し愛して、長く愛して」
恋愛といえば、かっと燃え上がるお熱いのが
相場か？ いえいえそうではありませんというのが、
この格言。
恋愛は熱しやすく冷めやすい。この人間の心の
悲しい常を知ったうえでの、なかなか大人の渋い
フレーズなのかも。
ところで「少し愛して、長く愛して」という
日本語訳に聞き覚えのある方もいらっしゃるかも。
私の記憶では、1980年代後半から90年代前半に
かけてだったと思いますが、どこかのウィスキーの
テレビＣＭで見かけたと思います。確か女優の
大原麗子さんが登場していたはず。今にして
思えばなかなか気の利いたＣＭだったのかも。
◎音の上でかなり面白いフレーズです。Lで始まる語が
（loveの重複込みで）４回繰り返されています。
いわゆる語の頭に同音を配した「頭韻」(alliteration)
の例。
☆なぜか人気ペットが登場↓
Love me, love my dog.
「私を愛するのなら、私の犬も愛してね」
犬嫌いの人には、なにこれ、そんな馬鹿なという
フレーズかもしれませんが、これは一つのたとえ。
「人を愛するなら、その人が好きな人も物も、
その相手にまつわるすべてを受け入れなければ
ならない」という意味合いの格言。
簡単そうでなかなかできないことか。
◎命令文の繰り返しとも見て取れますが、
If you love me, love my dog.を簡約化した
ものと思われます。
☆愛し方も気になるところ↓
I love the way you love me.
「あなたが私を愛してくれる、その愛し方が大好き」
loveを２個使っての、ちょっとひねりの効いた
フレーズです。the way you love me「あなたが
私を愛する、その愛し方」を愛している、大好きだ
というわけです。
なるほど、相手がどんな風に愛してくれるのか。
どんな愛し方でも構わない、何でもＯＫという
ものでもないでしょう。そう考えるとなかなか
味わい深いフレーズかもしれませんね。
いかにもポップスに登場しそうなこのフレーズ。
ソング・タイトルとしては、ジョン・マイケル
・モンゴメリー(John Michael Montgomery)の
楽曲例があります。
☆ちょっと情けない響き？↓
Love doesn't love you.
「あなたは愛に恵まれない」
「愛はあなたを愛さない」とは「あなたは愛に
恵まれない」、「あなたは恋愛に向いていない」
などのニュアンス。昔、私の知人のネイティブが、
ふともらしたフレーズで印象に残りました。
ただ元ネタはおそらく、アン・ヴォーグ
（En Vogue）のソング・タイトルのフレーズ、
Love don't love you.だと思われます（ロック
＆ポップスでは３人称主語に対して普通に、
don'tを使いますね）。
☆かなり女性への偏見？↓
In her first passion woman loves her lover.
In all the others, all she loves is love.
「初めての恋愛では、女性は恋人を愛する。
その後のすべてで、彼女が愛するのは恋だけ」
初めての恋愛、つまり初恋でこそ女性は、その
恋の相手を愛する。しかしその後の恋愛では、
恋に恋するだけだというのです。
これは英国の詩人バイロン(George Gordon Byron
/1788-1824)の言葉。
彼の趣旨では、恋に恋するだけとは、相手が複数
だろうが平気。誰でもよくなるというもの。そこまで
女性を不実なものと考える？ かなり偏見に満ちた
言葉かも。
それでは、また次回にお会いしましょう。
With love from Makoto Sakashima 2 U
※Language Art
