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赤報隊に会った男

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戦後史のミステリー、警察庁指定116号事件。その犯人に会ったことがあると生前語っていた鈴木邦男氏の証言を検証します。
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#文藝春秋

文藝春秋がつかんだ赤報隊事件の新証言

昨日発売された 文藝春秋 2023年6月号に、〈 朝日襲撃「赤報隊」の正体〉と題した特集記事が掲載されている。同誌取材班が20年にわたって進めてきた取材の成果を一挙に吐き出した25ページにわたる渾身のレポートだ(ウェブ版はこちら)。僕自身も、赤報隊と名乗るグループが起こした一連の犯行(警察庁広域重要指定116号事件)には、新聞記者時代からずっと関心を持ち続けてきたので、この記事に対する感想と考察を記しておくことにする。 まず、記事の核心となる新証言を要約すると―――― 1

「赤報隊=野村秋介黒幕説に違和感あり」元朝日新聞キャップの異論

戦後の未解決事件の一つ、警察庁広域重要指定116号事件(赤報隊事件)をめぐる報道に新たな動きがあった。 文藝春秋2023年6月号の〈朝日襲撃「赤報隊」の正体〉と題した特集記事に対し、元朝日新聞116号事件取材班キャップでノンフィクション作家の樋田毅が違和感を表明。同誌が展開した野村秋介黒幕説は本当に事件の真相を指し示しているのか、と疑問を投げかける長文記事を会員制月刊誌「FACTA」に寄稿したのである。(オンライン版はこちら) 文藝春秋の特集記事については、この僕も大いに興味