写真と詩 第二回
写真はモノ、視線、空間そして過去の時間も想起させてくれる。
遅ればせながら気がつくと、視覚でとらえていた世界がかわる。
雑木林の中に公園があった。木漏れ日で地面が明るい
土の匂いを嗅ぎたくてふらりと入る
見上げると冬の青い空に木々の枝が伸びやかだ
木々の枝ぶりにカメラを向ける
少しずつずらしてレンズごしに見る
逆光にかかったときに
太陽にかざした指のように見え
枝枝が毛細血管になった
そうか、同じだ、ぼくと。
その日からぼくは木になる
急ぎ足では歩まない
ときには止まったままでじっとしている
冬の北風が吹けば、心がはずむ
寒さを身に受けると、いのちを感じる
いつだって土の匂いが心地良い