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【実際の怖い話】ペアローンの悲劇


(1)はじめに

夫婦共働きが主流になりつつある昨今において、実際に私のまわりでも住宅ローンを組む際に夫婦でペアローンにするパターンが増えてきました。

【ペアローンとは】
1つの物件に夫婦それぞれが主債務者として住宅ローン契約をする借入れ方法のこと。つまり夫の住宅ローン、妻の住宅ローンの2本立てで借りるイメージです。


最大のデメリット(不幸)は、離婚してしまった場合に起こります。
実際にお聞きした事例を紹介しますので、一緒に検討してまいりましょう。

(2)ケーススタディ(本当の悲劇)

夫Aさんと妻Bさんはペアローンで住宅を購入しました。
ところが数年後、ふたりは離婚しました。
色々あって、顔も見たくないしもう話もしたくありません。

ペアローンで購入した住宅にはBさんが住む事になりました。
Aさんは住んでいない住宅に係るローンを支払い続けることになります。

それからしばらくしてAさんは再婚する事になりました。
人生再スタートっていう時です。
子どもも生まれ、住宅の購入を検討しました。

ところが‥‥

すでに先述のペアローンの返済もまだ20年分以上残っており、新規にローンを組む事ができません。
元妻Bさんはその住宅に住み続けています。
Aさんとしては、処分(売却してローン返済)したくとも、Bさんが当然応じてくれません。
連絡もあまりとりたくなかったのに・・・

もちろんキャッシュで残債を返済するほどの資産は持ち合わせていません。
職業柄、不払い等で信用情報に影響する(いわゆるブラック)わけにはいきません。
これからという時に八方塞がり状態になってしまいました。

以上が実例です。
さて、Aさんはどうすれば良いのでしょうか?

(3)説例の検証

本件のAさんの立場において、何か良い方法はないでしょうか?
‥‥
基本的には、ないのです。

ざっくり言うと、当たり前の話かもしれませんが、自分が借りたローンについては自分自身が支払わなければいけません。
また、住宅は共有物件(夫婦ともに所有者)なので、勝手に処分(売却)することもできません。
基本的には、当事者間で話し合って折り合いをつけていくしかないわけです。
さて、人それぞれ色々な離婚のパターンがあるかと思いますが、新しい生活がある状況下で、離婚した元配偶者に何度も連絡を取り合ったり、お願いしたりするのは、、、

どうですか?
できれば避けたいのではないでしょうか?

(4)ペアローンと離婚問題の具体的検討

一般的にペアローンのデメリットとして離婚の際に問題になる!と大方言及されていますが、実際に具体的にイメージしてみると、より一層恐怖感を抱けるかと思います。
仮に子どもがいない夫婦で、離婚に際して養育費が発生しなかったとしても、ペアローンを組んでいると金銭的な問題が残ってしまうわけなのです。

結婚する(しようとする)ときに、離婚する事を想定する人は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
たしかに幸せ絶頂の時には考えにくいかもしれません。
しかしながら、統計上の問題は諸々ありますが、ざっくり約3分の1の方が離婚に至るというのは大体の数値の目安としては間違いありません。

自分は絶対離婚しないと言い切れますでしょうか?
この点、私自身、離婚経験者なので、ぐうの音も出ないです(笑)。

(5)業者の思惑

金融機関としては、ペアローンで2本の契約が取れますし、2本になるゆえ借入金額もトータルで上がりますので、オススメしたくなる商品でしょう。
不動産販売業者としても、夫婦ダブルで住宅ローン控除も適用可能なので、メリットを強調しやすい商品かとも思います。
実際に購入を考えているときに、諸々のメリットを沢山強調されたら、「結構良いかも!?」と思ってしまいますよね。

しかし、これが本当に要注意トラップ(罠)です。

購入を決める前に、最悪のケース(縁起でもないですが離婚してしまう可能性の検証)を具体的に妄想してみではいかがですか?

本日は以上でございます。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


<この記事を書いた人>


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佐藤裕太(さとう ゆうた)

CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有。財務・経営コンサルティング、借金問題などに特化した法人にて述べ5,000人以上の個別相談を経験。諸問題に直面している様々なお客様のサポート、また自身のお金にまつわるちょっとイタイ経験などを活かし、より利用者に親身な相談、セミナーを強みに活躍中。



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