中国の経済、ちょっとヤバい方向に行きかねないなぁ
中国の巨大不動産会社恒大(Evergrande)の債券が債務不履行になりかかって,米国株が大幅に下がった。
とりあえず人民元建て債券の利払いは行われたが,米ドル建ての債券は債務不履行となる可能性が高い。中国政府の優先事項は,個人投資家の保有している同社グループ発行人民元建て金融債の債務不履行を避けるという事だと読めるが,日本のバブル崩壊の過程で起きた銀行に不動産投機の失敗の尻拭いをさせるという政策に行き着くのではないか。
この政策を一旦始めてしまうと次々と不動産会社の不良資産処理を銀行が行うことになり,今度は銀行が不良債権の重みで苦境に陥る。銀行の不良債権の状況は様々に分かれるので,一部の不動産会社と繋がっている機関銀行に近いものは,破綻の危機に直面するだろう。そうなると預金者が焦って,取り付け騒ぎとなりかねず,資本注入→国有化というシナリオに繋がる。
中国政府は銀行の破綻騒ぎで,一般庶民の不満が爆発するのは絶対に避けたいはずで,巨額の資本注入が金融システムに行われ,その結果,経済の効率が下がるだろう。中国経済は破綻しないだろうが,経済成長率等の指標は普通の国並みになるのではないか。そこに至るまでに,中国発の動乱が起こらないことを心から願っている。
<この記事を書いた人>
松本悦雄(まつもと えつお)
通称「マックス松本」。CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有。長年、日系ノンバンクでロンドンほか海外現地法人の経営に携わる。帰国後は商品ファンド投資・運用会社の役員に就任するなど、豊富な自身の経験を基に、初心者にもわかりやすく、かつ実践的なセミナーや相談を行っている。
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