【#バトリレ非公式】take-over 12.瀬戸ひなの
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『あ、あの……えと……
#瀬戸ひなの、です……技術アシスタントで、はい…
あ、学校には行ってないので……日勤、夜勤もだいじょぶなので……
あ、あの……こういう所で働くの初めてです、けど……
仕事の経験はありますので、プロのつもりなので……
えっと……よろしく、です』
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『ひっ。あ…ごめん、まだ慣れなくて。
差し入れ? いいよ気遣わなくても。
こう見えてもヒナは職歴長いプロなんだから、ふふん。
うん、聴いてた。みんないい声してるよね。
ヒナもそれなりにさ、アニメやゲームで声優さんは知ってたつもりだけど。
……みんな、良い声してるよ。ちゃんと』
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『……違うんだよなあ。位置変えようかな。
離れるからレベル見ててね。オートは雑音入りがちだし。
いやいや……納得いくまで付き合ってもらうからね。
最初に言いだしたのはそっちなんだから。
……ヒナはプロなんだから。中途半端は許せないから。
みんなみたいに、良い声になりたいから』
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『……え? うん、落ち着いた。
不思議なもんだよね。頭の中まっかっかだったのにスタジオの機材見たら「あ、仕事だ」って。
ほんとは、ダメだと思ってた。
人前だと何もできなくて、やっぱりダメなんだって思い知るんだと思ってた。
でも違った。
ヒナは――ちゃんとプロなんだって、思えた』
『信じるからね。
あの時言ってくれた言葉。
ヒナも、"優しい声"してるって。
みんなみたいな"声"になれるって。
"声優"になれるって。
だから……うん。
いってきます。Dくん』
#たとえばこんな
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『いやいやいやいや無理だって……ラジオは無理。
茉莉の台本見たもん。殆どフリートークじゃん、茉莉だからできるんだって……
え? オーディションの時と同じ? 現場に行けば上手くいく?
……ヒナは"声"のプロなんだから?
……そっか。Dくんもそう思うんなら……大丈夫かなあ、ふふん』
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※このSSは #非公式 であり、BATON=RELAY本編とは無関係です。