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「あなたに期待してるの!」という魔術

映画『ラストマイル』を見て思い出した、私の会社員時代の話。
「あなたに期待してるの」そう言ってあなたを励ましてくれる上司は壊れたあなたを死ぬまで支えてくれるわけではない。


お久ぶりです。Anaです。

今日も見に来て下さりありがとうございます。

あなたが見に来てくれたことが飛び切り嬉しいので、

今日も全力で書きます!

長らくnoteから離れておりましたが、久しぶりに書きたいことがあり戻ってきました。

私は先日映画『ラストマイル』を見てきました。

※ここからは映画の内容にも触れてくるのでネタバレになってしまう可能性があります。


映画を見終わって、映画『ラストマイル』の中に秘めたるメンタルヘルスについてとても気になった私は早速Googleで検索。

やっぱり同じこと考えてる方いたわ!

ってわけでここに引用させて頂きます。


冒頭の彼女と昔の自分を重ねて

この映画の主人公舟渡エレナ(満島ひかり)は映画冒頭から【ザ・キャリアウーマン】って感じでかっこよかった。

「こんな風になりたかったんだけどなー。」と思いながら見ていた。

私は、大学を卒業して地元の企業に就職した。
コロナ渦の就職は大変だった。
進路に悩んでいたこともあり就活に出遅れてしまったが、それでも地元の企業で、自分の好きなことに携われる仕事を見つけれたことに喜びを感じていた。
決して大きな会社ではなかったが、それでも日本国内にいくつか拠点があり、海外にも進出していた。
社内も日本人だけでなく、外国人も多く魅力的だった。
社長の考えや行動力にも共感でき、内定をもらえたことを心底喜んでいたことを今でもよく覚えている。

「この会社で成功するんだ!
いろんな仕事を任されて、出世して、毎日忙しく、でも充実した日々を送るんだ!」
大層意気込んでいた。

「その頃の自分が今の私を見たらきっとショックを受けるだろうなー。」
といつも思う。何度も思った。

そして、この映画の冒頭でもそんなことを考えていた。


映画中に主人公の部下が彼女の仕事ぶりを「ブルドーザーのようだ」と例えた。「それをかっこいい」と言った。

私もブルドーザーのように仕事をしていた時代があったことを思い出した。
今思えばそれは、新卒1年目の私にできるはずもない仕事量だったのかもしれない。

でも、責任のある立場で仕事をするやりがいもあったし、
何よりやり遂げたかった。
尊敬する上司に、社長に
「あなたならできる!期待してるから」
と言われたら、その期待に応えたいと本気で思った。



彼女もまた強くはなかった


映画の中盤に主人公が実は休職明けだったと明かされる。
彼女はアメリカで働いていて、責任のある立場で働くことで疲れてしまったんだとか。

ミ~アさんがnoteの中で言及してくださっているが、アメリカはメンタルヘルス先進国。日本はメンタルヘルス後進国。

私も彼女のようにもっとカジュアルにカウンセリングに行けてていたら、体を壊して会社を辞める前に必要もなかったのかな?と思わずにはいられなかった。

社会人1年生、右も左も分からない、仕事の進め方も分からない私に仕事は山のように降ってきた。

今思えばレッドサインはあった。
・夕食を食べすぎて夜中に嘔吐。これは完全に過食嘔吐だ。
・元々、風邪は年に1度引くか引かないかくらいの私が月一で熱を出し早退。
・仕事中に吐き気に見舞われ30分以上トイレにひきこもる。
・パートさんに顔色悪いよと言われ熱を測ると34度、低体温症にもなった。


完全におかしかった。
毎日のように帰りの車の中では泣きながら、自分と社内を殴りながら帰っていた。

あの時点で気づいてカウンセリングに行けていたら・・・と思う。

私の唯一の救いは、ある日立ち上がれなくなったことにより強制的に仕事を休まざる負えなくなったこと。

あの時の私の体には感謝している。

もし、無理すれば出勤できるような状態だったら私は出勤していたと思う。
期待されている私であり続けるために。

私はある日突然、足に力を入れられなくなった。
夜中になると足が痛くて熱を持ち始める。足がだるくて眠れない日もあった。
歩けないくせに毎日何キロ歩いたんだ?と言わんばかりの疲労感の足。
入院して検査した。
何度も何度も採血をした。神経の検査もした、痛かった。
脳波も取ったし、レントゲンやMRIも取った。
MRIの中が怖かった。涙が止まらなかった。

病院の中では車いすで移動した。
母に押される車いす。これほど悲しいことはなかった。

でも、原因は見つからなかった。
担当医の神経内科の先生に仕事の話をした。心療内科を勧められた。

退院した後、しばらくは心療内科に通った。
先生は私の話を聞くと薬を出して終わった。
ドラマ『Shrink(シュリンク)~精神科医ヨワイ~』に出てくる心療内科と同じ。

私はまだ一度もまともなカウンセリングを受けていない。

もうすっかり諦めてしまった。
ヨワイ先生のような方に出会えていたらな~とこのドラマを見ながら思ったりもした。

でも、今の日本にそれを改善できるカウンセラーや医者はどこにいるんだろう。

きっといるだろうけど、まだまだ探す方が難しい。

探している間にもっと傷つくことの方が怖い。


こうなってからでは遅いと思う。

「あなたに期待している」その言葉はとてつもなく嬉しい。
でも、それを言った上司や社長は、
私のカウンセラーを探してくれるわけじゃない。
壊れた心をなおしてくれるわけじゃない。

メンタルヘルス後進国である以上、自分で出口を探さなてればならない。

それは誰にも理解されない、辛くて暗くて長い道のりになるかもしれない。

だからどうか、
真面目に頑張りすぎなくていいから、
「あなたに期待している」

その魔術にかかって人生を無茶苦茶にされないでほしい。
自分の人生は自分だけのものだ。

いつもと少し違う自分に気づいてた時に思いとどまってほしい。

きっとあなたの周りの人はあなたの笑顔を見たいだけだと思うよ。



エンディングが最高に心に響いた

『ラストマイル』の主題歌の米津玄師「ガラクタ」

「例えばあなたがずっと壊れていても 二度と戻りはしなくても
構わないから 僕のそばで生きていてよ」

米津玄師「ガラクタ」

私はこのフレーズが心に刺さった。
自分はどこか変で、頑張っているつもりなのにいつも空回りしてて、
うまくいかないことで自分を否定していた。
最近知り合った友人に
「自分で自分を許しなさい」そう言われて少し心が楽になったところだった。
このフレーズは彼女のその言葉と重なって、心ににとても感動した。

あともう一つは、私の夫に伝えたかった。
最近夫は仕事が忙しくて笑わなくなった。
色々と話しかけてみるけど反応は薄くほとんど笑わない。
ずっと私はモヤモヤしていた。
構ってほしいと訴えてみたり、喧嘩を売ってみたり。
でも、どれも違ったんだと気づいた。
私は、夫にただ笑っていてほしかったんだ。



なぜ、仕事は心を殺して当たり前なんだろうか?

そんなことが当たり前なはずはない。

会社のため、お金を稼ぐために
自分の心や人生を棒に振るなんて

そんな価値、会社にも、お金にもない。


だからどうか、魔術に人生を奪われないでほしい。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

それでは、また♪






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