いのちの授業(最後の授業その②)
小学校教諭として子ども達と共に過ごす最後の授業として2つの授業を考えていました。前回の「おへそのひみつ」に引き続き、今回が本当に最後の授業の紹介です。どうぞお付き合いください。
日野原重明医師をご存知の方は多いと思います。105歳で亡くなるまで生涯現役医師であろうとしたお医者さんです。
社会的にも様々な方面で活躍された日野原医師の「生きるとは」という姿勢に感銘を受けました。
子ども達へ向けた著書もたくさんあります。
『十歳のきみへ:九十五歳のわたしから』
『いのちの授業』
『いのちのおはなし』
『いま伝えたい大切なこと:いのち・時・平和』
『いのちのバトン:97歳のぼくから君たちへ』
『生きてるだけで100点満点:99歳のぼくから君たちへ』等
令和6年3月21日(木)授業【いのちの授業】
私は、現役教師最後の授業として日野原医師の著書から
『いのちの授業』を選びました。ずっとこの授業をしたい!と思いつつしていなかった授業です。最初で最後の授業です。
この授業は、黒板に1本の線を端から端まで引くことから始まります。
私の年齢はここ。あなた達の年齢はここだね。と確認しました。
日野原医師は、10歳の君たちへと4年生を対象に授業をしていましたが、私の学級には、1年生から5年生までいたので全員の年齢を確認しました。
さあ、いのちの授業の始まりです。
子ども達への質問事項をスライド1枚に1問ずつ提示しながら進めました。
質問1「いのちとは なんでしょうか?」
質問2「心臓の大きさは どのくらいだと思いますか?」
質問3「心臓の音を聞いたことがありますか?」
質問4「心臓は1分間に何回打つでしょうか?」
質問5「心臓が止まるとどうなるのでしょうか?」
質問6「どうして、人をなぐってはいけないのですか?」
質問7「もう一度 いのちとはなんでしょうか?」
お話 「いのちとは、時間 いのちは、自分が使える時間」
質問8「自分のもち時間をどのように使っていますか?」
質問9「長生きしたいですか?」
授業は、『いのちの授業』の本を片手に持ちながら、子ども達と質問形式で進めていきました。指導案も無しのぶっつけ本番です!
質問3「心臓の音を聞いたことがありますか?」では、実際に聴診器を使って自分の心臓や友達の心臓の音を聞かせました。子ども達は、補聴器に興味津々でしたよ。
(子ども達とのやり取りを一部始終書くと長くなるので、割愛しますね。)
「いのちとは、時間 いのちは、自分が使える時間」
の話は、低学年の子ども達はあまりピントこない表情でした。時間は、目に見えない抽象的な概念なので難しかったようです。でも、5年生の子だけは「そうなんだ!」と初めて知った様子で頷いて聞いてくれました。
「あなたは、時間を自分のためだけに使っていませんか?」の問いかけには、ほとんどの子ども達が頷き考え込む様子がみえましたよ。
授業の最後に、日野原医師のメッセージを読んで終わりました。
「皆さんが100歳以上生きて、私のように元気だったら、人のために使う時間がたくさんありますね。長生きをすると、それだけ人のために使う時間が増えるということにもなります。だから、皆さん、長生きしてください。
実のところは、自分のために長生きするよりも、人のために長生きすることにもなるでしょう。
私が一番君たちに望むことは、君たちが大人になったこれから何年か先には、世界各国の人と一緒になって戦争をしない世界、つまり平和な世界を創ってほしいことです。」
日野原医師のメッセージに強く共感したので、私からのメッセージとして最後の授業を終わりました。
子ども達には、どれだけこのメッセージが届いたかなぁ。
とりあえず、無事に授業できた事に感謝です。