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紡いだことばたち。
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2017年9月の記事一覧

詩 14

喉の奥から吐き出した言葉は
四角い部屋の中で
行き場を失って

ゆっくり と 死んでいった

寂しさの淵に腰かけて
もうどれくらい

風がカーテンを揺らす

隙間から見える細い月

青白い光が
横たわった私の頬を撫でる

もう手を伸ばしても
届くことのない場所へ行ってしまった背中

思い出してみる

指先で輪郭をなぞる

伸びた爪で
かろうじて
生を知る
#詩 #現代詩 #詩文