大明槓はなぜしない方がいいの?

今回は、前回「デメリットが大きすぎる」程度にしか触れなかった大明槓について、なぜダメなのか解説します
前回の話↓


1.槓をした時のメリットデメリット

前回の復習となりますが、槓をする時のメリット、デメリットを書き連ねます

a.メリット

①ドラが増える
②嶺上牌がめくれる
嶺上開花が付く可能性がある
④符が高くなる

b.デメリット

①(大明槓の場合)リーチなど一部の役ができなくなる
②無闇に槓すると形が崩れテンパイから遠ざかる
③他家のドラが増える
④(加槓の場合)搶槓ロンされる可能性がある
⑤(前回触れませんでしたが)降りるための牌が少なくなる

2.メリット①ドラが増える

ドラが増えるのは素晴らしいことです。しかし、考えてみましょう。槓をするということは、14枚のうち、自分は3枚同じ牌を持っているということです。
例えば、次のような形を考えてみましょう

123456789m123s東東

このような牌姿の場合、ドラがのる可能性がある牌は123456789m123s東の13種類あるため比較的ドラが乗りやすいのですが、この形から槓はできません。槓には暗刻が必要ですからね。では次に、

123456789m111s東東

この牌姿の場合はどうでしょうか?1sが暗刻となっている分、ドラが乗る可能性のある牌は少なくなっています。123456789m1s東の11種類に減っていますよね。

つまり、暗刻があるということは、それだけドラがそもそも乗りにくいのです。暗槓であってリーチすれば、裏ドラまで見ることが出来るのでドラは乗りやすいので大丈夫ですが、大明槓だとデメリット①で見たようにリーチが出来ないので裏ドラを見ることができません。

3.デメリット③他家のドラが増える

自分は1人なのに対し、他家は3人もいます。そして、他家の手牌などの情報は基本的には分かりません。なので、色んな可能性を考えないといけないわけです。

・先程の123456789m123s東東のように、手牌がすごくドラが乗りやすい形になっている相手。誰かが槓してくれるとこの形では13/34、つまり約38%の確率でドラが増えるわけです。

・門前テンパイしていたり、もうすぐ門前テンパイする相手。リーチすれば裏ドラも見ることが出来るため、更にドラが乗る可能性があります

・刻子を持ってる相手。こちらは自分と同じように刻子を持っている分ドラが乗る確率は低いですが、刻子にドラが乗ると3つも乗ることになり一気に打点が高くなり押し返しやすくなってしまいます。

このように、槓をすると色々な相手に対して打点のメリットを与えることになってしまい、つまり自分にとってはデメリットが大きいということです。

4.ドラが増えることによるメリット・デメリットの比較

2.と3.で見たように、ドラが増えることはメリットもありますが、相手3人に対しそれ以上のメリットを与えてしまうことも多く、つまり通常デメリットがメリットの3倍以上になると考えると、槓が如何に危険な行為であるかがわかると思います。そして、大明槓だとリーチができない分そのメリットがそもそもすごく小さいので、ほとんどの場面でするべきではないということです。

5.メリット②嶺上牌をめくれる

確かに嶺上牌をめくれるメリットはありますが、大明槓、特に上家の人から槓した場合、そもそも次は自分の手番であり、槓をせずに普通に自分のターンにするのと何ら変わりません。下家からの大明槓なら、対面、上家の番を飛ばして自分の番になるので少しは意味があると言えるかもしれません。暗槓や加槓なら正真正銘自分のツモが1回増えることになるので意味があります

6.デメリット⑤降りるための牌が少なくなる

自分が槓をするということは、その牌は動かせなくなるということです。つまり、相手が押し返してきた時に降りるための牌が減ります。これはチーやポンを無闇にしては行けない理由にも繋がりますが、危険と分かっていても降りることが出来ず全て押さなければならない状態になりかねません。他家のドラが増えた状態で、自分はドラが増えていなくて、危険と分かっていても押さなければならない。そんな状態になるくらいなら、初めから槓、特に大明槓などしない方がいいですよね。


7.まとめ

・槓した自分は暗刻がある分だけドラが乗りにくい。
・相手は3人おり、その中にはドラが乗りやすい形の人や、もうリーチできる人、暗刻を持っていてドラが乗ったら打点が一気に上がる人がいるかもしれない
・嶺上牌をめくれるとはいえ、特に上家からの大明槓ではほぼ意味が無い
・自分が降りないといけないときに降りることが出来なくなる

このように、槓、特に大明槓にはデメリットが大きすぎます。なので、メリットがデメリットを上回ることがほぼ無いため、大明槓はしてはならないのです。例え自分がテンパっていたとしても、よっぽど上がれる自信がある場合以外は避けた方がいいでしょう。他にリーチをかけてる人がいる場合なんかはもっての外です。


8.大明槓をしてもいい時

①ラス回避のため

オーラスなどで、自分がどうやってもラスを脱出できない場合、大明槓に賭けることが出来ます。自分が槓した牌にドラが乗れば一気に4枚乗るということで打点が急上昇しますし、自分でなくとも誰かの打点が上がれば、横移動(他家同士でロンすることで点数が自分とは関係ないところで移動すること)によって自分より点が低くなる人が出てくるかもしれません。

②順位を上げるため

メリット④にある通り、槓をすると符が上がります。4翻以下の時、これで符ハネさせれば打点が上がります。オーラスでの微妙な点差の場合に使うことがあります。ただし、これは上級的なテクニックであるため、ここでは詳しくは解説しません

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